235-4(1147) 「なんでわかってくれないの!」と思ったときに読む本
トーマ・ダンサンブール、紀伊国屋書店、2004
暴力は生まれつきのものではない
暴力は古い習慣
エピローグで、著者は、言います。「暴力的ではないコミュニケーション」は学ぶことができるし、実践することで、自分の満たされない欲求を暴力的に解決する必要もなくなるのだと。
ほんとうの自分でいよう。
コミュニケーションの四つの要素
観察する
感情
欲求
要求
自分自身を観察し、感情を認識し、そこから欲求をつきとめ、それを要求という具体的な形で相手に伝える。20
コミュニケーションを阻害してしまう頭の働きを四つ、著者は紹介しています。27
・ レッテル貼り
・ 先入観
・ 二元論的分類
・ 責任逃れの論理
これは、わたし自身が『いっしょに考えて! 人権』で紹介した「差別・抑圧につながるものの見方・考え方」に共通するものがある。
自分の欲求を切り捨てたツケは次のような形で表れる。42
・ 個人的な事柄に関して決断ができない
・ 人目を気にする
・ いい人になる
・ 権威をふりかざす
・ あきらめる
私たちから幸せをうばう四つの問題 73
・ ありのままの現実と向き合おうとしない
・ すぐに自分の受けた印象や思い込み、先入観にもとづいて行動する
・ 自分の内面の声に従うのではなく外の事柄を基準にして行動する
・ 自分の欲求をあきらめたり、反対に自分の欲求を人に強制したりしてしまう
暴力とは押さえ込まれた生気の爆発 282
というのには心の底から同意する!
さらに教育について
・ 教育に罰は必要ない
・ 大切なのは意義を説くこと
・ 意思を強く持ち、また責任を持つこと
第7章 いますぐにできること
一日三回、三分間 本当の自分になる
感謝の気持ちを持つ
ともに生きるという意識を持つ
若者の事例や青少年センターの事例などもたくさん紹介されている実践的な本である。