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対立から学ぶワークショップ

DEAR CR教育研究会

【プログラムについて】
ESR(ボストン)から独立して活動しているモーニングサイドセンター(ニューヨーク)のカリキュラムに従って構成されたワークショップ。
同じプログラムから始まっているので、基本的には同じような要素が含まれている。
理論的に、対立の扱い方について、特に新しい展開や視点があるようにはおもえなかった。実践的に学校と協働していくために、プログラムの独自性と独立性が高まった結果としてESRから独立したと思われる。
学校との連携プログラムはスタッフディベロッパーによって進められる。SDは教員対象にCR教育のトレーニングを行うと同時に、学校がCR教育に取り組むことを支援する。
支援には4つのアプローチがある。
1プロセスカリキュラムアプローチ
わざわざ「カリキュラム」という教育の内容、方法、シークエンスを規定する概念に、プロセスという屋上屋を重ねるネーミング。学校、個別教員、学級との協動による生成カリキュラムの概念を強調しているものと思われる。
2ピア・ミディエーション
希望者を中心に、生徒にミディエーターのトレーニングを行う。
3平和な学級づくり
4平和な学校づくり

対立の前向きで建設的かつ平和的な扱い方を子どもが身につけていき実践できるようになるためには、学校全体の取り組みが不可欠である。
CR教育はプログラムではなく文化なのだ。

校長の熱意が導入と成功の鍵、だそうだ。日米比較は難しいが、校長の熱意については共通だね。

基本の「4R’s」というのは読み書き算に加えて、Rispect尊重Resolve解決。いいなあ。

◎配付資料に「点検」の視点となる理論的なまとめがないため、すべてのワークが実践、中村絵乃さんの解説という流れで構成されてしまったのが残念だ。
◎わたしの理想とする「構成主義的アプローチ」では、流れは次のようになる。
実践→ふりかえり→点検の視点→検証→応用を考える=学びのステップアップ
◎閲覧資料を見ても、理論的なものと実践的なものとに分かれている気がした。
◎ミディエーションを仲裁と訳していたのが気になった。仲裁あるいは裁定という用語はアビトレーションarbitrationにあたるのでミディエーションmediationは調停だとすべき。裁くという意味あるいはニュアンスはミディエーションにはない。「けんかの仲裁」という使われ方があるから、使ってしまう。夫婦喧嘩に仲人や大家が間に立つのは、パワーのある立場の人が、調停の結果と実効に責任を持つ「裁定」にあたる。パワーがなければ仲裁は出来ない。

【ワークショップの要素と構成】
□学習環境づくり
・ハートを感じる
・わたしは大切[ハート型のワークシートの裏に、好きなこと10個]
・三人の人と自己紹介、共通点探し
・三人グループでふりかえり
・マリアの一日[IALACなのだが、そうは説明しなかった。]
・肯定的なことばかけ

□対立とは
・色紙で対立をイメージする色
・隣りの人と自己紹介[左右二回→全体で共有]
・対立のイメージ[全体でブレスト→板書→まだありますか]
・対立を共有する[三人グループ(マイクロラボ)で一人1分半ずつ→「対立の扱い方は?」一人1分半ずつ]

◎まだありますか?の時に「肯定的な面」を出してみようと方向づける方がいい。
◎発言はできる限りそのまま書く。言い替えるときは確認する。板書係と進行役を分担している時は練習が必要だな。
◎マイクロラボのやり方について「平等に話す」「質問しない」「アドバイスしない」などのポイントを説明したが、対立の問題を話すのに三人は緊張する。作業人数の効果と機能の整理が必要だな。

□ウィンウィン型解決法
・怒りをふりかえる
・怒りの火山
・満たされないニーズの分析・ロールプレイ「外勤内勤」
〇わたしの気持ちに責任を持つ。
〇人の気持ちに責任を感じない。
〇自分が自分らしく自分と付き合う。
〇深いところではニーズは共通する。

□いろいろな気持ち
・感情ことばをブレスト
・写真の人はどんな気持ち?・広い視野から見てみると?・怒りの下にあるものは?
・「休むんだったらクリーニング屋から受け取って来て」の分析

◎「Aさんのご主人が」と進行役が言ったのを中村さんが注意して夫に言い替え。でも本人は納得してないから隙あらばもどらんとしている。教育者はほんとに難しいな。

□アクティブ・リスニング
・いて楽しい場所を思い浮かべるイメージワーク
・安心できる場所の条件
・二つの聞き方モデリング→全体で気づいたことのブレスト
・ペアで実践

◎「いて楽しい」が「安心できる」に課題としては変わった。前日にも同様のことがあったので、この進行役はことばを大切にしない人なのか、それとも意図的なのか?と訝りつつも、ワークへの取り組みがおざなりになる自分がいる。

□アサーティブネス
・三つの対応のモデリング→全体でブレスト
・四つのロールプレイをペアで実践「上司と派遣」「上下関係のある友人」「親子」「先生と生徒」
・全体で何組が実技
・13の状況ワークシートの4、5、7、9、13をアサーティブに[ペアで実践]
〇ロールプレイしたことを日常に活かす

□創造的な問題解決
・アサーティブな対応で問題解決できた事例
・全体で共有
・ふりかえり
・サークルタイムで「キーワード」

◎全体ブレスト、全体共有が多かったので、発言を全くしない人がいた。
◎ロールプレイ以外でペアワークでふりかえりやまとめをする時の時間が短い

◎日本で実践するためには、どんな文化をわたしたちは求めるのかの共有から入る必要がある。そうでなければ、主体的な課題解決としてのプログラム開発にはつながらない。

【ピア・ミディエーター、ピースメーカー実践事例の共有】
□ピースメーカー
松原高校
茨田高校
以上、なぜか大阪やね。そんなに暴力的な文化なのか?

□中学で「ジァイアン」「のび太」「しずかちゃん」ロールプレイ

□教員がロールプレイをしてDVDに

□ピア・サポート学会など

ピア・カウンセリングは資格制度で広がっているしなあ!(^o^)/
どこかにティッピングポイントはあるはずだし、それが近づいて来ている気がするね。
by eric-blog | 2008-08-09 14:31 | □研修プログラム
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