179-6(857)失われる文化・失われるアイデンティティ
綾部恒雄監修、明石書店、2007
講座 世界の先住民族 全十巻の最終巻。
オグブによる少数民族の分類。
・自律的少数民族
・カースト的少数民族
・移民的少数民族
に加えて、
・難民
・先住民族
という五つのカテゴリーがあるだろうと。そして、ここでは、五つ目のカテゴリーについて、考えていくのだと。
国連人権擁護特別コミッションの、ジュリアン・バージャーによる定義。
1. 征服者によって蹂躙された土地のもともとの
2. 移動民、牧畜民、採集民であったりする。余剰が少なく、エネルギーの必要も少ない。
3. 共同体レベル
4. 共通の言語、文化、特徴
5. 物質中心主義ではない世界観、開発に対する考え方
6. 自分たちを先住民とみなしている
「IT革命、グローバル化が加速度的に進む現在、貴重な文化を育ててきたこれらの人々の苦難を救っていくことこそ人類の最も緊急な責務できなかろうか。」10
「世界の先住民はそうした「ネイティブ」の最底辺にいることになろう。欧米からみればネイティヴのはずの日本の研究者が、アジア、アフリカ、オセアニアなどのネイティヴの研究調査をしているのである。21世紀(これもキリスト教暦)の今、我々はこうした歴史的につくられてきた、意識の上での多重で一方向的な世界の差別構造を、まず先住民研究を通して、また反転して欧米社会の研究を通して共通の大地に立ち、これからの人類の進むべき地平を明らかにすべきではなかろうか。」26
目についた問題提起としては
○多様な言語と多様な思考の危機 27
○「内発的観光開発の重要性」315
・自律性
・持続可能性
『分断されるアメリカ』ハンチントン