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シュタイナー教育の実践理想の学校とは

160-2(765)シュタイナー教育の実践理想の学校とは
ルドルフ・シュタイナー、イザラ書房、1994

日本のシュタイナー教育には四つの学派があるらしい。この本は、1923年の公開講座の速記録から作られたものを訳したもの。
シュタイナー学校(自由ヴァルドルフ学校)は1919年に設立され、その教員のため、そしてまた公開講座として、1924年に亡くなるまで18回以上の講座をシュタイナーは行っているという。その中でも、この講演録は、いい、のだそうだ。

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乳歯が永久歯に生え変わるまえに基礎をおくべき「感謝」と、乳歯が永久歯に生え変わってから性的に成熟するまでのあいだに基礎をおくべき「愛」の能力。
子どもの心情、感情が、いかに善と悪に対する共感と反感に満たされなければならないか・・・この時期に「おまえは、こうすべきだ」というふうにいうと、その子の人生を台なしにします。
子どもが性的に成熟するまでは「おまえは、こうすべきだ」というふうにいわないようにします。教師がよい権威であることによって、子どもが「よいものは、ぼくの気に入る。悪いものは気に入らない」というようになると、第三の徳性である「義務」が子どもの内面から発達します。義務は叩き込まれるものではありません。感謝と愛の能力を基盤として、自然に適った人間の発達から発するものです。感謝と愛の能力が正しい方法で発達するなら、性的に成熟し終わった時点で、義務感が現れます。
内的な成長力から腕や手は成長しなければなりません。腕や手を鉄の型のなかに閉じ込めておくことによって成長力を支配することはできません。そのように、一定の年齢におい、自然に適って成長する人間本性から生じるべきものは、「わたしの内面から現れた」と感じられます。そうすると子どもは義務感をもって、社会生活の中に正しく入っていきます。「義務とは、自分が自分に命じたことを愛すること」というゲーテの言葉が、高貴な意味で成就されます。
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・・・正しく体験された権威から、自立できる人間が生まれます。
のちに、精神的な宗教性として現れるものは、乳歯が永久歯に生え変わるまで、子どものなかで自明の身体的宗教性として発達します。これらすべてが、ほんとうの教育に深く根ざしていなければなりません。


・12才から性的成熟の時期まで、そしてそれ以降も、実際的な事柄の実習がいかに必要かが明らかになります。
・「生活実習も男女いっしょにおこなうと、人生の準備がよくできる」
・編み物をすると、健全な論理的思考ができる
・靴を自分で修繕できないような大学教授は、大学教授たるに値しない
・よい靴職人にもなれる人のみが、よい哲学者になれる
・織り機で織る、糸紡ぎ、紙の出来方の機械的化学的テクノロジーを把握させ、細かな事柄に関しても、それがどのように人生で経過するかを学ばせるのです。
by eric-blog | 2006-12-08 10:32 | ■週5プロジェクト06
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