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「レジ袋」の環境経済政策

137-5(662) 「レジ袋」の環境経済政策
舟木賢徳、リサイクル文化社、2006

1952年生まれで、会社勤めから高校教員、授業でも環境問題など取り上げるうちにはまり、筑波大学の大学院へ。本人いわく、レジ袋なんてマイナーな研究をしていると日本では食えなくなったので、昨年、2005年からシニアボランティアでタイに派遣されているとか。

2007年からレジ袋税が導入されるということだ。
滋賀県を中心として展開している平和堂の3割を除き、スーパーでの買い物袋持参率は、目標の20%にははるかに及ばず、5%前後を低迷している。スーパーとしては、スタンプやポイント制、不要カード、ノーレジ袋デー、マイバスケットなど、さまざまな取り組みをしていてこれなのだから、税金なんてとんでもないと言う。お客の意識改革までがスーパーの責任なのかと。
都民生協はレジ袋5円なので、これまで2-3回しか買ったことがない。けれど、わが家にはレジ袋がたまっている。それは、連合いが「レジ袋をごみ捨てに使うからもらっていい」派だからだ。

さて、舟木さんの調査によると、「レジ袋がゴミ袋として利用できると持参率は半分以下、レジ袋が二倍乱用される」44というではないか。
ゴミ袋一枚あたり、レジ袋その他袋合計7.7枚が平均して捨てられているという。親袋の中に子袋、子袋の中に孫袋、そしてさらにその中の曾孫袋として入っているレジ袋が平均で0.2枚なのである。47

やい参ったか。というと、連合いは、「確かに溜めておいて汚くなったものや使いづらいサイズのものなど、時々は処分したりしているけれど、日常的には台所の流し下のレジ袋入れの量一定の法則を維持しており、問題はない」と、姿勢を変えない。やっぱり、レジ袋全廃、ゴミ袋は別売というような強硬策でもとらない限り、このレジ袋論争は止まりそうにない。

で、そこまでしての削減効果は? 28-29
原油換算で、製品と製造工程を合わせて、55.89万kl (処理にかかるエネルギーは含まず)
総輸入量の0.23%

これからの石油ひっ迫状況を鑑みるに、早急な対策が望ましいのでは? というのが著者の立ち場。

レジ袋の問題点として
・風に飛ばされやすい
・焼却炉で高温になる
・自然に還元されない
・紙製品にしてもエコバランス的には同じ
ということで、買い物袋持参のライフスタイルの確立が必要なのだと。

ここまでのこだわりのもとは、自分自身が長崎の離れ小島で見たレジ袋の風景やテレビ番組で見たクジラのお腹から出てきた50枚ものレジ袋だったという。やっぱり、自然体験は大事だね。

2400円は少々高い気がするけれど、身近なレジ袋調査を生徒たちと実施しようという時には、調査の方法などについてもいろいろなサジェスチョンがもらえる良いネタ本である。

http://www.recycle-bunkasha.com/
by eric-blog | 2006-06-30 12:28 | ■週5プロジェクト06
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