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イノセント・ボイス

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119-1(556) イノセント・ボイス

めがねを忘れるわ、紹介しようと予定していた本を忘れるわ、昨日はすべて想定外の日でした。そのために起きたこの本との出会いも。

オスカー・トレス著、竹書房文庫、2005、1月21日から同名の映画が始まる。

著者が14歳、1985年まで過ごしていたエル・サルバドルは、1980年から1992年まで内戦状態にあった。男の子は12歳になると、政府軍に徴兵される。それを逃れるためにゲリラ軍に入るか。これからゲリラ軍に入るだろうからと政府軍に殺されるか。道は限られている。

貧しい、その日暮しの生活の中から、母親は、息子を米国に逃がすお金を捻出する。実話だ。

長倉洋海さんが後書きを書いている。
「なぜ、戦いが続くのか。...戦争が続くのは毎日を懸命に生きている人々のせいではない。戦いで利益を得、戦争を望む者がいるからなのだ。エル・サルバドルの人々が人を押しのけたり欺こうとせず、まっとうに生きているからこそ、世界の矛盾のしわ寄せを一番に受けている...
...戦争の背後にいる豊かな者は血を流さず、戦わされているのは、どちらも貧しい者だった。」184-186

わたしたちの生活は構造的にエル・サルバドルの人々に結びついている。そして、同じように貧しい者同士が戦わされている世界のそちこちに。もし、わたしたちが、少なくとも「戦いをのぞむ者」ではないとしたら、そのためにできることをしよう。変化のために、意思表示のために。「おまえたちだって、構造的社会的有利性の分け前に預かっているくせに。既得権を手放さないでいる民など、何にもならないさ」とどこかであざわらっている「戦争を望む者」たちへの。

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by eric-blog | 2006-01-24 07:34 | ■週5プロジェクト05
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