ERIC NEWS 543号 ともによりよい質の教育をめざして  2017年5月28日

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ERIC NEWS 543号 ともによりよい質の教育をめざして  2017年5月28日

ESDファシリテーターズ・カレッジ! すべての学びを参加型で!

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(文責: かくた なおこ 角田尚子

http://ericweblog.exblog.jp/

twitter : kakuta09  FBもやってます。)


 今年は5月から主催研修を始めたが、なかなかに参加者が集まらない。自分自身も、やっと学習支援などが軌道に乗り始めて、予定が動き出した感がある。この時期、スケジュールを合わせるのが、難しいのかもしれない。ま、何事も、ぼちぼちと、そして、継続して行くこと。


 次回の主催研修はテーマ『人権』で、6月最終土日(24日・25)です。ぜひ、ご予定、ご参加ください。25日終了後にはERIC総会も予定しています。


 さて、3月初旬に骨折してから、約一ヶ月の固定で骨が回復するまで、「痛い、痛い」と言えば家事もやらせず、重いものも持たせずに、まるでお姫様のように扱われていた左手が、今度は打って変わってどんなに痛かろうとできなかろうと、リハビリ奴隷に成り下がるという激変。毎晩、七転八倒するほどの痛さ。


 おまけに、北区の手話通訳士養成講座に申し込んだところ、初心者の中級から初めてよろしいと受講が決まり、これまた左手が酷使される事態になることに。意外や意外、片手手話というジャンルがあるほどに、手話は基本両手なのである。


 自転車にも二ヶ月以上、乗れなかった。左手でブレーキを握る力が入らないからだ。ハンドルを握って、サドルにまたがるのにも、左手のひきとプッシュ・アップは不可欠だ。知ってた?


 おかげで、この春はよく歩いた。近所の染井霊園の桜もくまなく見て回ったし、外大跡地の公園の風にも、鶯にも驚かされた。こんな都会で鶯かあ。


 美味しいパン屋も見つけた。バゲットは午後には売り切れているほどの人気ぶり。朝のサンドイッチが楽しみになった。


 いつもと違う移動手段を使うと、街の見え方も違ってくる。心なしか、行動や気持ちも、ゆったりしたようだ。やっと自転車に乗れるようになったが、歩け歩けの時の空気感を忘れないでいよう。


 ERICの総会のテーマは、「死なない終活プロジェクト」。ぜひ皆様のお知恵をお貸しください。どなたでも参加できます。


 小学4年生の漢字ドリルに「終活」があったのには驚きましたが、終業時の活動のことなのかなあ? 子どもに質問してもはっきりしませんでした。わかっているやらいないやら。言葉の定義はむずかしい。



◆◇◆543号 目次◆◇◆


◆◇◆1. グローバル・セミナーをふりかえる~いまと未来の教育のために No.4

◆◇◆2.  ESDファシリテーターズ・ハンドブック8「」

◆◇◆3. 地球環境問題とわたしたちの生き方=大学の授業を通して

◆◇◆4. ESDファシリテーターズ・カレッジ2017 のご案内

◆◇◆5. by ERIC 在庫処分2016! レッスンバンクもチェック!

◆◇◆6. with ERICこれまでの活動


◆◇◆1.  連載:グローバル・セミナーをふりかえる~今と未来の教育のために No.4◆◇◆
担当: 鬼木たまみ

(担当:鬼木たまみ)


この連載では、ERICが設立当初から10数年にわたって開催したグローバル・セミナーを紹介いたします。今回は第三回、環境教育をテーマに行ったものを紹介します。


3 グローバル・セミナー(1992.6.14-28

「アメリカ、オーストラリアの環境教育の実践に学ぶ」

講師:ジョン・フィエン(グリフィス大学助教授、オーストラリア環境教育学会会長/オーストラリア)

     ジェイン・ウィリアムソン・フィエン(クィーンズランド工科大学講師/オーストラリア)

     アンディ・バスタナーク(Project Learning Tree事務局長/アメリカ)

・地域セミナー:東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、滋賀、京都、大阪(8都府県、16ヶ所)

・翻訳出版:『「木と学ぼう」活動事例集-PLT ACTIVITY GUIDE K-6-


第3回グローバル・セミナーは、ブラジルのリオで「地球サミット」が行われていた6月、海外から講師を3人招き、日本環境教育学会、東京YMCAYMCAアジア青少年センター、横浜YMCAERICの四団体が協力して開催しました。


「環境をテーマにした今回の企画は、昨年の湾岸戦争の教訓から生まれました。湾岸戦争の勃発によって、多くの教師や父母がなんらかの形で「平和教育」を導入・実践したいと思いながら、その術を知らなかった故に、またその方法が提供されなかった故に、ほとんど何の実践もされないうちに戦争が終わってしまいました。同時にこの戦争は、これまでの日本における平和教育では、いまの世界の情勢の変化についていけないことも明らかにしてしまったのです。


今まさに喚起されつつある環境問題への関心も、何らかの手立てを講じない限り同様の結果を招くことは明らかではないか。つまり、これまでの知識重視のアプローチだけでは「問題がある」という警告に終わってしまい、自分の問題として捉えにくいのではないか。こうした問いかけから、自らが進んで環境や開発の問題を考え、その解決のために行動するための「環境教育」の方法を提案する場を設けました」

(「第3回グローバル・セミナー開催のご案内」より抜粋)


講師のジョン・フィエン氏は「環境教育は、知識、態度、行動の三要素が入ったものでなければならない。態度を育てるには長い時間をかける必要がある」と訴えています。


「地球サミット」からの25年、私たち一人ひとりは、人類共通の課題解決のためにどのような努力をし、長い時間をかけて何を育ててきたのでしょうか。

自分に問いかけつつ...


*第3回グローバル・セミナーのプログラム、案内文、紹介記事はこちらからご覧になれます

http://eric-net.org/project/global_seminar/gs92_news.pdf


「グローバル・セミナー実践事例10選」はこちらからご覧になれます

http://eric-net.org/project/global_seminar/gs92_activity.pdf



ERICは、『木と学ぼう』を翻訳出版し、セミナーにProject Learning Treeのアンディ・バスタナーク事務局長を招いたこの年から、PLT日本事務局の活動を始めています。


***追記(かくた)

前年の1991年と1992年の夏に海外研修としてオーストラリアを訪れています。1991年は人権教育をテーマに、小中高の現場、アイデアハウスなどを訪ねました。1992年は環境教育をテーマにジョン・フィエンさん、ジェイン・フィエンさんにコーディネートしていただきました。

*1992年 オーストラリア研修「地球教育を訪ねよう」プログラム

http://eric-net.org/project/study_tour/92au.pdf


また、ジョン・フィエンさんには19971998年にも、彼が執筆した「Teaching for Sustainable World(TSW) 」という指導者育成カリキュラムについて実践的に学ぶためのセミナーを実施していただきました。

*1997年 オーストラリア研修「持続可能な世界のための教育」
http://eric-net.org/project/study_tour/97au.pdf


ジョン・フィエンさんはTSWにおいて「四つの教育は一つ」と環境、人権、平和、開発教育の何が共通で、何が違うのかをまとめた方です。

http://ericweblog.exblog.jp/5203068/


最近では、ジョンが執筆した『ケアすることを学ぶ』に、環境教育の本質が人権を含む価値観と行動につながるものであることを再確認しました。


http://www.griffith.edu.au/__data/assets/pdf_file/0018/314613/fien03.pdf


日本語訳は三部に分かれています。

http://ericweblog.exblog.jp/18988618/

http://ericweblog.exblog.jp/18988625/

http://ericweblog.exblog.jp/18988628/


グローバル・セミナー全14回のテーマ・リスト

第1回 地球の未来と教師の役割(1990
第2回 イギリス・オーストラリア・アメリカの国際理解教育に実践に学ぶ(1991)
第3回 環境教育・PLT(1992)
第4回 食糧 フード・ファースト・カリキュラム(1993)
第5回 協力、コミュニケーション、セルフ・エスティーム(1994)
第6回 わたしから始まる国際理解教育-自己理解と参加(1994)
第7回 フォトランゲージを学ぶ(1995)
第8回 地球のみかた(1996)
第9回 対立から学ぼう(1997)
10回 未来を学ぼう (1998)
11回 国際理解教育の推進に向けて(1999)
12回 対立を超えて・世紀を超えて 地球の明日とわたしたちの力(2000)
13回 生涯学習社会の実現に向けて(2002)
14回 いっしょに考えて!教育(2005)
( )内は開催年


◆◇◆2.  ESDファシリテーターズ・ハンドブック連載8「テーマについて三点確認法で深める」 ◆◇◆


 『テーマワーク』も参考に、あるテーマについて深く知るための方法をまとめました。

http://www.eric-net.org/news/FH17ThemeWork.pdf


■これまでのモジュール

1. 「効果的な学習」

http://www.eric-net.org/news/FH17EffectiveLearning.pdf

2. 構成的に学ぶ」

http://www.eric-net.org/news/FH17Constructivism.pdf

3. 「経験を味わう」

http://www.eric-net.org/news/FH17Reflexitive.pdf

4.「経験を共有する」

http://www.eric-net.org/news/FH17CooperativeLearning.pdf

5.「問う力」

http://www.eric-net.org/news/FH17Questioning.pdf

6. 「経験の広がり」

http://www.eric-net.org/news/FH17Scope.pdf

7.「経験の広がり-発達段階」http://www.eric-net.org/news/FH17Sequence.pdf

◆◇◆3. 地球環境問題とわたしたちの生き方=大学の授業を通して ◆◇◆


今年も、大学で半期15回の「地球社会と共生」と、オムニバスの「地球環境問題とわたしたち」の内2回で、地球環境問題について授業を行った。


環境教育もESDも「すべての教科に関わる問題として教える」もので教科の枠は設けないままにきています。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/013/003/shiryo/attach/1299713.htm

理念は素晴らしいのですが、「経験の広がりと積み上げ」の面で、大学生までになると凸凹が生まれているというのが実態ではないでしょうか?


いずれの教科も選択によるので、「興味関心意欲」のある学生たちの集まりであることは違いないのでしょうが、では、いま、「地球環境問題」として何を「知っていること」、何に「関心があること」が共通基盤として育っているのでしょうか?


「地球社会と共生」で、学生たちに1人五冊の本を選んできて、関心あるテーマを共有してみました。時計回りに書き出してみます。

  • グリーン資本主義
  • 世界を動かす人脈
  • フェアトレード 格差を生まない経済システム
  • 労働ダンピング
  • 差別と貧困の外国人労働者
  • 格差社会 何が問題なのか
  • なぜ豊かな国と貧しい国が生まれたのか
  • 神様とのおしゃべり
  • 外国人だけが知っている美しい日本
  • 今地方で何が起こっているか 崩壊と再生の現場から
  • 無文字社会の歴史
  • 日本語のコツ
  • 読むことの歴史
  • 実践日本人の英語
  • 安心社会から信頼社会へ
  • 原発報道とメディア
  • 福島第一原発事故 7つの謎
  • ニッポンのゴミ
  • プラスティックスープの海
  • 海の歌
  • 鯖がトロより高くなる日
  • エビと日本人 暮らしの中のグローバル化
  • 魚と日本人 食と職の経済学
  • 水の未来
  • メス化する自然
  • 未来を変えるちょっとしたヒント
  • 海賊のジレンマ
  • 人類は絶滅を逃れられるのか
  • 間違いだらけのエコ生活
  • 世界の野菜を旅する
  • 環境アセスメントとは何か
  • 持続可能な社会を目指す8人のライフスタイル

2052 今後40年のグローバル予測』(ヨルゲン・ランダース、日経BP社、2013)は『成長の限界』の著者の1人が、1972年の出版から40年たった2012年、これからの40年はではどうなるだろうかと予測した本である。わたし自身も、その間、環境保護団体で活動したり、環境教育に取り組んだりしてきたので、この本の内容はとても感慨深かった。


若い世代、学生たちには申し訳ないが、わたしも著者と同じ感想を抱く。

「思ったほど対策は進まず、データによっては悪化しているものも多い。また、不可逆的な変化のスパイラルに入ってしまったものもある。これからどのような対策を取っても、変化は起こるだろう。」と。


だからこそ、学生たちが選んだ本のリストに胸を打たれるものがある。


希望を語ることが教育者の役割の一つだと思いつつ、わたしが環境問題に目覚めたり、取り組み始めた時とは、明らかに情報の質が違う。そして、そのような分析を共有することも適切なのかどうか、迷ってしまう。


Think Globally, Act Locally の問題提起から、

Think Locally, Act Globally 地域の問題に取り組みつつ、地球を考える。


地域的アプローチと地球的アプローチの両方が言われるようになってきた。逆に、ESDには食育的なアプローチも含まれるなど、足元からの環境教育だけで終わっている事例もある。


今回は、クロマグロの漁獲量についての報道があったばかりなので、それを取り上げて問題提起を行なった。海洋資源についての関心の薄さと情報の無さそのものが、とても印象的だった。


http://ericweblog.exblog.jp/23913470/


オムニバスは二回だけで終わったので、レポートの課題に「クロマグロの資源管理の歴史と日本社会の課題」を出すつもりだ。これを機会に少しは学んだもらいたいものだ。


そして、もう一つの大学の授業では、「三点確認法」によって、より一つのテーマについて深く考えるプロセスを経て、同じように環境問題としての海洋資源管理に焦点を当てていきたいと思っている。



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by eric-blog | 2017-05-28 15:55 | ERICニュース | Comments(0)
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