ERIC NEWS 538号 ともによりよい質の教育をめざして  2017年4月23日

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ERIC NEWS 538号 ともによりよい質の教育をめざして  2017年4月23日
ESDファシリテーターズ・カレッジ! すべての学びを参加型で!
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(文責: かくた なおこ 角田尚子
http://ericweblog.exblog.jp/
twitter : kakuta09  FBもやってます。)

 今年もTEST教育力向上講座in大阪、開催となりました。
2017年5月3日 午前10時から午後5時まで。あおぞら財団研修室にて。

 案内文をと言われたのですが、やはり当日、参加者の皆さんとともに考えたいなあと、三題噺の準備はしていきますが、どう展開するかは、参加者のご希望次第ということで。

 あまり準備をしすぎないテーゲーな据え置き型ファシリテーターになることがわたしの夢。

 先日、ISEP環境とエネルギー政策研究所が、事務所移転したとかで、四谷近くの三栄町という当たりを歩きました。その辺りというのが、都心なのに住宅街。住宅街なのにオフィス街、というかサテライト型のミニ校舎の看板が掲げられているデザインフルな建物がたくさんある街だったので驚きました。

 そうかあ、ERICの念願であるところのESDファシリテーターズ・カレッジ、二年間コースも、こんな形の学校として実現することもできたんだなあと、とても可愛い二階建てを見て思いました。ま、いまの事務所の10倍のお値段にはなりますが。

 でも、なぜ、二年間コースをと思った時、すぐに「学校を」と思わなかったのかなあと考えると、「学校」という形が持つヒドン・メッセージをどう解消するかという課題を十分に解消仕切れていないまま、取りかかることはできなかった。そんなことに思い当たりました。

 TEST in 大阪。参加型による教育的指導者のための学び合いの場。そこで対価をいただいてファシリテーターを務めることも、その矛盾の一つです。本当に作りたいのは「学習者が作り出す学習の場」。しかし、その場とその場のメッセージのためにも、コストがかかるのが現実ですよね。

 どなたが書いていたけれど、「プロフェッショナル」というのはそれだけの時間とエネルギーをかけてきた人であり、そのことに対する対価なしで、ボランティアをお願いするのはおかしいと。

 ファシリテーターという職業、大好きです。一方的ではないからこそ、何度やっても飽きずにやってこれています。ともに考える人が違えば、学びも違う。そして、わたしも「学び」ます。

 フューチャーサーチ会議を初めて日本で開催した時に、錚々たるファシリテーターのパイオニアたちが参加してくれました。参加費を払って。その中の一人の人が言ったのです。「でも、これで一番学んでいるのはかくたさんだよね」と。

 新しい学びの場を提供し、そこから一番学んでいるのは、わたし自身、そしてERIC自身です。それはグローバル・セミナー以来の伝統です。新しい学びの風を常に巻き起こしたい。それがグローバル・セミナーの原動力でした。

 でも、新しい学びは、ファシリテーター仲間であれば、誰しもあるはず。わたしもグローバル・セミナーをともに担ってきたERICファシリテーターから多くのことを学びました。

 ERICがグローバル・セミナーを卒業したわけ。それは「新しい学び」ではなく、常に「よりよいものを目指し続ける」学び方に、学び方がシフトしたからです。Better Quality Of Education for BQOE。ブログのタイトルでもあります。

 よりよくしていくために重要なのは点検の視点。思えば、一番最初に翻訳した『ワールド・スタディーズ』にその萌芽がありました。「わたしはワールド・スタディーズを実践しているだろうか?」というチェックリストがそれです。

 TEST教育力向上講座は、他のERICの研修と異なり、ファシリテーター実践者のための「点検・改善」「よりよい」に向かう場です。「わああああ! めっちゃ新しい!」ではなく、「あ、自分の中にあったじゃないか。それをうまく整理してくれているなあ、これをKISSして、自分のものにして行こう」、そんな出会いがある場です。

 ぜひ、今年も、TEST in 大阪でお会いしましょう。参加型の教え方学び方の実践力を高めるために。


◆◇◆538号 目次◆◇◆

◆◇◆1. グローバル・セミナーをふりかえる〜いまと未来の教育のために
◆◇◆2. TEST in 大阪2017 「問う心」を育てる=世界を疑う
◆◇◆3. ESDファシリテーターズ・ハンドブック2「構成的に学ぶ」
◆◇◆4. ESDファシリテーターズ・カレッジ2017 のご案内
◆◇◆5. by ERIC 在庫処分2016! レッスンバンクもチェック!
◆◇◆6. with ERICこれまでの活動

◆◇◆1.  新連載「グローバル・セミナーをふりかえる〜いまと未来の教育のために」◆◇◆
担当: 鬼木たまみ
ERICでは設立当初から10数年にわたって、グローバル・セミナーを開催しました。
グローバル・セミナーというのは、ERICが厳選して翻訳出版したテキストの著者・開発関係者を講師として招き、参加型学習によって展開されるテキストの内容を体験してもらうものでした。テキストの翻訳だけでなく、参加型の研修プログラムを実施する、また受講する経験は、ERICにとって大きな学びとなり、ESDファシリテーターズ・カレッジをはじめ、オリジナルテキストの開発などその後の様々な活動につながっていった知的財産そのものです。

第1回グローバル・セミナー「地球の未来と教師の役割」(1990年)の開催主旨に、その思いがしっかりこめられています。

「世界はますます狭くなっていることを実感させられる今日このごろ。10年後に迫る21世紀は「地球時代」と言われます。わたしたちは世界のあらゆる国々や地域、あるいは人々と無数の目に見えない 糸で結ばれています。
環境や資源問題など、地球規模で取り組む課題が増えていることも否めません。21世紀を担う子どもたちが、このたった一つの地球を分かち合っていけるようにするためには、今、私たちに何ができるのでしょうか」

ここから始まったグローバル・セミナー。今後、ERIC NEWSやブログで紹介していきたいと思います。

■グローバル・セミナー全14回のテーマ・リスト

第1回 地球の未来と教師の役割(1990)
第2回 イギリス・オーストラリア・アメリカの国際理解教育に実践に学ぶ(1991)
第3回 環境教育・PLT(1992)
第4回 食糧 フード・ファースト・カリキュラム(1993)
第5回 協力、コミュニケーション、セルフ・エスティーム(1994)
第6回 わたしから始まる国際理解教育-自己理解と参加(1994)
第7回 フォトランゲージを学ぶ(1995)
第8回 地球のみかた(1996)
第9回 対立から学ぼう(1997)
第10回 未来を学ぼう (1998)
第11回 国際理解教育の推進に向けて(1999)
第12回 対立を超えて・世紀を超えて 地球の明日とわたしたちの力(2000)
第13回 生涯学習社会の実現に向けて(2002)
第14回 いっしょに考えて!教育(2005)
( )内は開催年

◆◇◆2.  TEST in 大阪2017 三題: ファシリテーターの資質・問う技術・経験の広がり ◆◇◆

新しい学びと自分自身の実践をふりかえりつつ、次年度に備える。そんな時間がTEST教育力向上講座の時間です。今年のin大阪は、一日だけのショートバージョン。それだけにみっちり詰まったものになりそうです。
共有したい学びは三つです。

1.  ファシリテーターの三つの価値観「真摯さ」「誠実さ」「信頼」
2.  経験学習の三原則 経験のふりかえり、共有、そして広がり
3.  QFT「問う技術」

三題噺がどう展開するかは当日のお楽しみ。あなたはファシリテーターの資質に自信ありますか?

2017年5月3日 10時から17時 at あおぞら財団研修室

申し込みは栗本敦子さん、あるいはかくたまで。kakuta(a)eric-net.org

◆◇◆3. ファシリテーター・ハンドブック2「構成的に学ぶ」◆◇◆

連載を始めたばかりのファシリテーター・ハンドブックですが、すでに順番が違ってしまいました。訂正して、再録しておきます。

1. ERIC ESDファシリテーター・ハンドブック1 「効果的な学習」
http://www.eric-net.org/news/FH17EffectiveLearning.pdf
2. ERIC ESDファシリテーター・ハンドブック2「構成的に学ぶ」
http://www.eric-net.org/news/FH17Constructivism.pdf
3. ERIC ESDファシリテーター・ハンドブック3 「経験を味わう」
http://www.eric-net.org/news/FH17Reflexitive.pdf

1 「効果的な学習」のCSSCの四つの要素を受けて、構成主義と経験学習の関係についてまとめたものが2「構成的に学ぶ」

『学習の本質』が掲げる効果的な学習の四つの要素の一つが「構成主義」constructivismです。そして経験学習は、構成主義の考え方に立って、考えられている教授学習法です。
このユニットでは構成主義について学びを深めるためのキーワードやERICのテキストが採用している教授法にどのように構成主義が生かされているかを紹介しています。

今回のKISS!は次の「経験学習の三原則」です。

経験学習というとコルプの「経験学習の四段階」があまりにも有名ですが、「体験のしっ放し」という批判が起こるのは、ふりかえりが不十分なだけではありません。しっかりとした経験学習の指導原則として、以下の三つを抑えているかどうかが鍵なのです。
・経験のふりかえり
・経験の共有
・経験の広がり

あなたの実践している経験学習をこの三つの視点から点検して見ましょう!

Let's KISS!
Keep it simple and shortによって、より良い質の教育の点検力を高めましょう。
これからもファシリテーター・ハンドブックでは、さまざまなKISSを紹介していきます。

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by eric-blog | 2017-04-28 16:49 | ERICニュース | Comments(0)
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