ダギーセンター Donna L. Shuurman、センター長 杉本さん、グリーフサポートリンク(NPO法人)代表 挨拶 えりかさんが通訳。 参加者60名程度。 世界で初めてのプログラム。1986年から立ち上げから関わってきた。 https://www.dougy.org/news-events/news/the-dougy-centers-executive-director-takes-on-new-role-after-29-years-with/1675/ 来日20回目。今回は、京都で講演会とワークショップ、昨日東京で講演会。 理論と実際をやっていく。家族あるいは友人を亡くした子どもを支援する活動をしている。 まず、どんな人が来ているか。手を挙げてもらっていいですか。もちろん、挙げたくない人はいいんです。それはダギーセンターの基本のお約束ですから。 学生: 女性一人、男性4人(東京福祉大学、鈴木先生からの紹介でリンクでボランティア) 雇用されている人: かなり 学校などでボランティアなど: 病院: 5-6人 行政: 3-4人 NPOや組織: 看護師、医師: スクールカウンセラー: 0 インタラクティブに進行していく。深刻なことを話すのだけれど、だからと言って、笑いがあってはいけないということはない。 まずは、互いを知り合うエクササイズ「お似合いのイニシャル」5-6人のグループを作ってください。ボールを一グループに一つ渡すので、一通り紹介したら、その人の名前と形容詞を言いながら、ボールを投げてください。 なぜこのアクティビティで始めたか。名前を覚える、ちょっと馬鹿なことをやる、リラックス。 死は難しい話題だが、それでもわたしたちは楽しむことができるし、笑いあえるということ。 楽しむことができる力、誰かと一緒にいることなどが、悲しんでている子どもには必要なこと。 ダギーセンターについて ダギー少年は13歳になった時、医療のためにポートランドにやってきた。14歳で死亡。脳腫瘍と9歳の時に診断された。彼は、ロス博士に手紙を書いた。 死とは何か。死ぬとどうなるのか。 なぜ大人は死について、僕の死について語らないのか。「諦めるな」とか「大丈夫だ」とか言うばかりで死の話題は避ける。 その体験をロス博士は、A Letter to the Child of Cancerという本にまとめた。「ダギーへの手紙」 https://books.google.co.jp/books?id=0MgW6TUy8T0C&pg=PA69&lpg=PA69&dq=Douggy+%26+Ross&source=bl&ots=h3TBichYFi&sig=-eA2BI5LHy8jLUdMNIydc7O0vgU&hl=ja&sa=X&ved=0ahUKEwix4uilsYjYAhWBFpQKHToIBfIQ6AEIOzAG#v=onepage&q=Douggy%20%26%20Ross&f=false Ross博士がビバリー・チャペルさんを病院にダギーを訪ねるようにと送った。 チャペルさんが病院を訪ねた時、ダギーは他の子どもと、大人ではできないやり方で話し合っていた。「不公平じゃないか、大人になるまで生きられないなんて」とか。大人はそのような発言を聞くことが辛いので、部屋から出てしまう。 10代の男の子たちに「女の子にキスしたことある?」とダギーが聞いていた。 医療的解決はないかもしれないが、それでも良い終末期を過ごすことができる可能性はある。医療的希望はないかもしれないが、生きる希望はある。 その後、チャペルさん夫婦が自分たち自身の家をオープンにして、同様の立場にある子どもたちが話し合える場所を作った。 36年前、1981年の12月に開始。今も活動拠点の一つ。 今は500箇所以上、世界中にある。 子ども対象のプログラムは、以下の年齢区分で行なっている。 3-5 6-12 一番数が多い。 13-18 重複 8-14 自分たちがいたい年齢層を選べる。 15年前に青年19-24歳を想定したプログラムも始めた。しかし、悲しみは24歳で終わらない。 25歳以上も始めることになった。 同時に、支援者グループのミーティングもする。子どもがいる時には、同じ建物の中でその保護者の大人もいること。 現在、500名の子どもたち、360の両親、二週間に一度90分のプログラム。 死んだ人や死んだ原因によって、グループを分けている。 来所する期間は彼らが決める。16-17週が平均。だが、6年間続いて来ている人もいる。 プログラム参加費は無料。60%は父親が死亡しているので、お金は取らない。 プログラム担当のスフッフが8名。200以上のボランティアを動かしている。 Death is a life-altering event, but grief is not a pathological condition. 米国での強い運動がある。DSM。Complicated Grief。グリーフを医療行為の対象にしようと言うことだ。 しかし、わたしは、専門家の支援が必要だと、レッテルを張ることには反対。支援を受けてよくなる人もいるだろうが、医療行為の対象であるというレッテル貼りは、違うと思う。 社会そのものが死を受け入れるようにしたい。 見ている側として辛いから、私たちは向き合うことを避ける。しかし、「治す」「処置する」対象としてみるのではなく、「聞く」ことの力を知ってほしい。 この写真は、弟が生まれるのを楽しみにしていた男の子が、お墓で遊べるように墓石の上を砂場にしてあげた。弟は生まれて五日目に死んだのだ。 これまでにわかったこと。 6-18歳を対象に。両親が死亡した子どもたち。15年の継続的研究を行った。 うまくやれている子どもと、うまくやれていない子どもを比較した。 健康な大人になるために必要なことは。Healthy Youth 保健衛生の社会課題として研究した。 アーウィン・サンドラー。Sandler 両親の精神的な健康状態が子どもたちの健康状態に影響していた。 不安が強いと子どもは育ちにくい。 生存している方の親を巻き込むのはどの段階がいいか。彼らの回復をどうするか。課題として共有された。 8歳から23歳の追跡研究。 wellうまく行っている子どもの口癖。 I feel understood. Others know what I have been through.という発言をする。だれかとつながっていた。理解された。 Not wellな子どもは。I am alone. Noone understand. という子どもたちは身体的にも感情的にもうまく行っていない。 二つ目の発見がある。 表現することができる子ども。音楽、踊り、スポーツ、芸術など。身体を動かすことによって表現している。 両親に対するグリーフは、私の心の中に閉じ込められているわけではない。 センターは、二つの仕事をしている。 11:11 UCLAのダニエル・シーグル 10代の脳、治療的関係性について。治療を受けている子どもに、なぜここに来るのかと聞いた。子どもが言ったのは、専門的なことではなく、 I feel felt. I feel I am understood. だから、役立っている。触れ合えた、理解された感覚。感覚的なことだった。 ■グループ作業「どんな時に理解された」と感じるか。力学、行動。[10-12min.] ・共感的傾聴 ・そこにいてくれる。柔らかさ。ハグ。 ・集中して聞いてくれている。今、ここで ・正確なフィードバック ・的確な質問、深堀。 ・忠告や助言は嫌 ・否定しない 11:32 シェアリング ちょっとした言葉のニュアンスの違いでも繰り返されるものが何かを知りたいので、言ってください。一番後ろで、最初に当たらないと思っているグループから。
すごいですね。この反応から、一章をかけると思う。[前の照明をつけない理由。ブルーアイで疲れる。左利き。] Attentive, not over, not invasive. Ask questions, but right ones. Why do you feel that way? では理解されたように思わない。 Whyで始まる質問はしない。子どもたちはよくなぜを使う。私たちが思う質問は「Why」はinvasiveである。「攻撃的」と通訳は訳したが。 Openな質問は、Whyで始まらない。Yes, Noでは答えられない質問。 何年も前、1991年にABCのショーがセンターに来て、子どもたちにインタビューした。20/20という番組のジョン・スコッセル。 インタビューの対象に言語化が上手な子どもたちを選んだ。「Was it hard to go back to School?」とばっかり聞いていた。「Did you had a hard time with your friends?」Yes, Noだけで答えてしまった。休み時間に、ジョンが、「子どもたちが何も答えてくれない」というので、「はいいいえで答えるような質問をしているからよ」とアドバイス。「How was it like to go back to school?/ How did your friends treated you?」などがベター。 Attentiveすぎないこと。 Cross-examined は不快。適度に覚えていてくれる心地よさ。 No judgment 判断しない、評価を交えない。 You shouldn't feel that way. などと感情を否定しない。 Just being able to listen without judgment. 質問する代わりにただただ聞く。 Genuineであるか否かはわかる。言葉と行動が一致しているかどうかはわかる。 同じ気持ちでいること。 これらが私たちがグループや個人に創り出したいもの。子どもに対応する人に育てたい力。 欠けているのは、「人々がどう感じるか、どう考えるかを私に言う」ようなことは書かれていない。「人が自分の体験や知識を語り出すこと」。「他の処方」などもここには出ていない表現だ。 ■アクティビティ 紙とクレヨンを使って。「0-18歳のロスと感情をふりかえる」 二つ理由がある。どんなフィルターを使っているか。 感情やふりかえりが「ツール」になる。 グリービングしている子どもを学校やその他の場面で受け入れる時に、考える、認識するために大切なことを理解するため。 共有する、板書
幸せとか楽しいと言う感情ではなく、辛い、後悔するような感情の方が多い。感情にいい悪いはつけたくないが。 私たちは、これらの感情を感じたくない。しかし、感情は感じたくないからといってさってはくれない。 大人は子どもたちにこう言う感情にならないようにうに手伝ってしまおうとする。 やるべきことは、子どもが感じている感情を私たちが理解していることを伝えること。Ability to listen to sad and hard stories, without being overwellmed or trying to rescue. 必要な能力は、しっかりと受け止める。 もう一つ覚えておくいいい。「relieved」解放される。終末治療にかかっている子ども、病にある人がなくなることによって安心、ホッとした気持ちになることがある。 これまでたくさんのこどもに対応して来た中で、10-12人の子どもだが、「父親が死んで嬉しい」と、殴るなどしていた父親について言う場合もある。 12:30 13:30 モンターニュ「子どもが遊んでいる時、子どもは遊んでいるのではない。彼らにとっては、最も真面目な活動なのだ。」 見る、見守るのといっしょに遊ぶのは違う。 ホテルの窓から見ていた。 ダギーセンターではいっしょに遊ぶ。子どもが入らないでと言わない限り。 大人として自意識を忘れ、子どもがやってと言うことをやることが大事。それをやる理由は、子どもに「コントロールと力」を再獲得してほしいから。あなたが理解し、参加し、彼らを尊重していることを示すのです。 病院ごっこの部屋。 子どもは患者になりたがらない。子どもは白衣を着て医者役。 Powerlessに感じている子どもに自信をつけさせることがこう言う状況で 「私は医者。あなたは患者」と白衣を着ながら9歳の子どもが。「まず、足が折れている。」「そっちじゃない。別の方だ。」小さなことだが、そこにどれほどの力が、大人が彼らの言うことに従うことによって、得られているか。 遊びを通して、物事の意味を確立していく。 目的がはっきりしている遊びもあるが、ただただ面白いだけの時もある。 ダギーセンターに来て、「ひとりじゃない」「楽しかった」と思ってくれるだけで、センターの目的は達成されたと思う。それ位゛賞のものを持ち帰っている。死別の体験とはどのようなもので、どんな感情があり、どう変化するかを知る。 悲しいと幸せが揺れ幅が大きい。 彼らのレベルでうまく遊んでいたら、グループを離れて自由時間になった時、あなたを選ぶでしょう。 活動している組織からも発表してもらいたいが、まず、一つアクティビティ。 13:42 ■全体アクティビティ Step forward if 共通するもの、違うもの。左利きの人? と聞きましたね、そこに繋がりが生まれる。 全員でサークルを作る。前にスペースを作って。当てはまる場合は、一歩前に。 最初は簡単なことから。 本を読むのが好き チョコレートアイスが好き。 大阪出身 私だけ、親が自殺、皆無。 なんかショック。 ダギーセンターでの子どもグループ。 グループの最初にオープニング・サークルを行う。 定常活動がある安心する。グループの中の全員が「名前」「年齢」「亡くなった人」「亡くなった原因」などを共有する。 紙粘土。トーキングスティック。先住民の伝統だが、飾りがついている場合もある。「誰が持っている?」と言うだけで、気づく。尊重する気持ちを育てる。 「誰が最初に始めるかな?」誕生日が近い人。などで決める。聞く話題を子どもが出してもいい。 半分以上の場合、エネルギーレベルが高いので、そのままプレイタイムに行く時もある。自然なイベント。12月にはキャンドルライト活動、休暇のシーズンにちなんで死んだ人の写真を飾るとか。 クリスマスという言葉は使わない。 父の日、母の日などの行事のある日々など。ハローウィーン、メキシコの「死者の日」。彼らが何をしたか、何を読んだか、彼らの何がなくて寂しいか。 アート・プロジェクト。マスクを作ったり。by choiceであること。 オープニングは10-30分。 その後、自由遊び時間。部屋を決めて、始める。途中で変えてもいい。 2009年に火事で前のセンターが消失。今の建物は二代目だが、 新しいセンターは、真ん中に大きな部屋、小さな部屋が周りにあるレイアウト。 砂箱遊び、アート、 など。 部屋の作りの選択肢はたくさんある。 1対1の場合に、何があったか言ってくれることがある。全てではないし、万能でもないが。 中高生や青年グループでは、次に起こることを話し合ってもらう。 各グループからの報告。 (ここまで精査済み、この後はまだ備忘録程度) 休憩後 青少年に必要なもの。「良い手本になる」自分のことをケアしていない人が多い。 ・からだのこと。 ・正直に。感情を。 ・真実を伝える。 ・秘密を保つことがネットの存在のために難しくなった。何が真実かを知ることもだが。 自殺という汚名はなかなかな晴れない。知っているけれど、母親が言わないので知らないふりをしている。 悲しいときでも、笑いはあり得る。 ■アクティビティ INside, OUtside 紙皿の一方に、内側、もう一方に表側の感情や行動を書く。 子どもにさせようとするアクティビティを自分自身もやることが大切。 ペアで3-4分で紹介し合う。 安全ではない。あるいはどう表現していいかわからない。など。 アクティビティが少人数である場合は、全員が紹介することもできる。10-15人ぐらい。 なぜ、その違いが出たか。 力強いメッセージを。「内面をどう表現したらいいかがわからなかった」という人。 「外的な理由で違っていた人」見せる機会がない、聞かれなかった。 子どもは機会がない。術がない。聞かれなかった。オープンな場がない。 コネクティングto your feelingなど。今までと違う感情を感じた人はいますか? 簡単なアクティビティで効果がある。 一日の最後に、 safety and security 全てのグループ作業の心がけは「safety」 Practical実際的なものもある。血を触らない。叩かない。 Emotional 人のことをバカにしない、悪口言わない、 consistency 一貫性 predictibility 予測可能性 boundary and consequences 境界と結末 センターには規律、ルール、境界、がある。それを破った場合はこどもとともに、確認する。 大人は「かわいそう」と思って甘やかすことがあるが子どものためにならない。 ルールを守ってもらう。 お休みも必要。楽しむことができる。表現したくないこともある。 Avenues for expression 自分の感情を表現する道がある。火山の部屋など。 死を防ぐことができなかった。助けることができなかったと、大人が無力感に陥るということは子どもはどれほど無力感を感じるだろうか。 自分でコントロールできるという感覚を持つことが大切。 子どもたちにリードさせる。当事者意識を持ってもらう。 Memorializaiton, connection and meaning-making. 人が死んだ時、葬式の時など、食べ物を持って来てくれたりするが、何日かすると日常に戻る。しかし、当事者にとっては、ロスはBefore and afterは全く違ってしまう。 never the sameという本を書いたが、 その人はどんな人だったかを話してください。と。 「Tell me about him.」 どのようにその人のことを覚えておくか。 覚えておくための、色々な活動がある。記憶することもその一つ。 「I am sorry that they died. Tell me who they were.」について話す。 自死で亡くなった子どもの調査をした。15歳の少年。「夢の中で会ったとしたら」どんなことを聞くの?と。そうすると、実は夢を見たのだという。 母親が金色の雲の中で、座っている。なぜ死んだの?と聞いた。 フィリップ、わたしはOKじゃないのよ。あなたのためにもならない。許してね。 あまりにも悲しい顔をしていたので、「許します」と言った。 でも、お父さんにはこの夢のことは言わないで。と。 わたしはその理由を知っていると思っていた。しかし、「なぜ?」と確認した。答えは思ってもいないことだった。 「お父さんはもっと色々な質問を出すから。」 そんなことは想像がつかなかった。 このことが教えてくれた。経験がどれほどあろうとも、人の中で何が起こっているかは、絶対わからない。 杉本挨拶。 無くしてよかったわけはないけれど、亡くなったことで、ここに来て、学び合い、気づくことがある。感謝の気持ち。時間を持てたこと。 最後に個人的に質問させてもらった。「わたしにはロスの体験がないのだけれど、それでもファシリテーターをやれるのだろうか?」と。ドナさんの答えは「ダギーセンターでもたくさんの人がそういう人ですよ。支援するのにロス体験の有無は関係ないです。」と。割合を確認するのも忘れたし、そういうデータを取ることも難しいことだろう。 ドナさんがワークショップの中で繰り返し言っていたように、「グリーフに寄り添う、受け止める社会にしたい。」ということなのだと思った。 日本のグリサポの課題だなと思った。今はトレーニングを受けても、当事者率が高く、運動が当事者運動になってしまっている。それをどのように社会運動にしていくことができるのかが課題だと思った。
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| 2017-12-14 14:47
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