大学生のための道徳教科書 君はどう生きるか?
麗沢大学道徳科学教育センター、麗沢大学出版会、2009
2965冊目
救済活動家・社会啓蒙家として歩んできた創立者廣池千九郎(ちくろう)によって1935年昭和10年に設立された塾、専門学校をベースに、戦後、短期大学として開学。語学を中心に展開していたが、1992年、国際経済学部開設。
http://www.reitaku-u.ac.jp/about/index.php
「大学の道は明徳を明らかにするにあり」
「知徳一体」
2008年平成20年に道徳科学教育センターを開設。
そこでの教育実践、創始者の思想の現代的展開をまとめたのがこの本である。
道徳科学というのは、諸科学の成果が人間の生き方を示唆していると考えるからだ。44
- 1.森羅万象は皆連絡している
- 2.全ての生き物の間、生き物と自然の事物との間には、相互依存関係がある
- 3.社会の本質は、人間の精神面における相互依存関係である。
- 4.人間の相互依存の関係は空間的、時間的な広がりを持つ
- 5.真の人間らしい結びつきとは、全体の調和、愛情、感謝、敬意
モラロジーは諸聖人の生き方を拠り所として、人間の生き方を具体的に明らかにする。47
- 1.万物生成化育の心、すなわち、全てに対する公平な慈愛の心
- 2.自己中心的な心の克服の必要性
- 3.大きな恩恵者の存在に気づき、感謝と報恩に心がける
- 4.自分も万物生成化育の働きの一員として、他の役に立つことに進んで取り組む
- 5.他の人にも同じような心を育てる
これらの五つの事柄の理解を目標とする。
いのちの観点から見た原則
- 1.持続可能性
- 2.適応可能性
- 3.関係性
- 4.質素さ 地球に負担のない生活様式
- 5.公正さ
- 6.連帯
- 7.生命多様性
- 8.十全性
- 9.謙虚さ
痛みを共有する存在
同情しあえる存在
助け合える存在
いのちという宇宙的存在を生きる。
廣池の思想の特徴が「道徳系統としての日本皇室」がまとめられている。293
四大聖人 ソクラテス、キリスト、釈迦、孔子
に皇室を合わせた五つが「最高道徳」
道徳は系統。代々受け継がれる。
天皇の道徳性とは
神々・祖先を尊重してその意思に従い、国民を愛し、自らには自己中心的な意思を許さず、事毎に自己反省の態度を取ってきた。294
- 1.神事第一
- 2.慈悲仁惠 民の父母
- 3.伝統継承
- 4.皇室の道徳を認め、尊重する国民との共同作業
「皇室の国民に対する道徳の積み重ねという前提が知らされないままに、皇室に対する「敬愛」だけを求められたりしたら、何か押し付けられたような感じがしてしまうのではないでしょうか?」302
天照大神の特性とその継承と実行を歴代天皇が続けてきたこと。312
大学生のための道徳教科書 実践編 2011
高校生のための道徳教科書 2012
「高校生のための」のあとがきを書いている中山理学長が西暦を使っているのが、ちょっと嬉しい。理由は知らないけれど。横書きだからかな?