私は女
岸田美智子、金満里、長征社、1984年
2964冊目
久々に買いました。古い本なので、図書館でも手配できなかったので。
時代だなあと、読んで思った。障害者の自立と解放。20人の物語。
このインタビューを受けて、自分の状況を認識し、離婚に至った人もいる。
現在、強制不妊手術に対する訴訟が起こっている。しかし、この本には、自ら進んで手術を受けた人のことも出ている。人の判断はそれぞれだが、「◯◯さんも受けているよ」と使われてしまう。
また、出産も、さらに障害を重くしてしまうことが多い。命懸けだ。
24時間介護が必要な人が、生理、育児などの介助も加えて手配しなければならない大変さは、想像するにあまりある。
そして、20人の物語の中に、典型的なケースが全て含まれているのではないかとすら思う。
施設の職員の問題、障害者相互の問題、グループの問題、聖職者の問題、結婚、離婚。
表紙の宮崎幸子さんの絵がとても好き。ちょっとやさぐれててさ。
■新版 1995年
10年後のアンケートを含めている親切さ。21人中、1人が29歳で亡くなっている以外の20人が答えてくれている。幸せとか、不幸とか、結婚しているとかしていないとか、別れたとか、子宮摘出したとかしていないとか。施設を出て、多くの経験をしていることこそが貴重に思える。