■ミシュカの森 2017 子どもの命の傍らで 2017年12月9日 ヒューマンライツ・ウォッチ 土井香苗さんよりメッセージ 「嘆きが運動の原動力。人権活動家としてのすべての活動の出発点。 無関心が障害。この集会が良心と行動を引き起こしますように。」 VTR (12分) 世田谷事件 未解決 宮沢一家四人殺害。 入江杏さんの経験。宮沢さんは彼女の妹。二人の子どもがいた。 にいなちゃん、8歳。礼くん、6歳、発達障害があった。 「障害児がいると幸せになれないと・・・・でも全部ひっくるめて幸せになっていいんだ」と妹さんは思うようになっていた。礼くんがいることで家族の絆が強まっていた。 事件から14年。夫と息子、第一発見者の母も合わせて、隣り合わせの棟続きに8人住んでいた。その家族の繋がりを「すべて失ってしまった」。何をする気も起こらなかった。 七回忌を迎えた時、にいなちゃんが書いた絵「スーホと白い馬」の一場面に、彼女自身を思わせるような少女が描かれていた。頭にバンダナ。事件の前日にかぶっていた姿と重なった。にいなちゃんに励まされた気がした。 事件のことを絵本にし、2007年から読み聞かせ。グリーフケアも学んだ。 悲しみは人間にとって悪い感情ではない。「どんなに遠く離れていても、ずっとつながっているから」。悲しみを生きる力にすることができるようになった。 大切な家族を失った人の繋がりが生まれ、新しくつながった。 グリーフサポートで出会った加治陽子さん、心の異変に気づいた。ストレス性記憶障害。7歳の時に兄が、その看病をしていた母が二年後に亡くなり、4年前に父ががんでなくなった。正しく悲しんでこなかったものが、溢れた。壊れたように泣き続けた。 細谷亮太さんのお話、「子どもの命の傍らで」。聖路加病院で小児がん病棟で勤めている。1948年生まれ、山形生まれ。 1960年安保の時は中一。学校の先生たちの危惧。これからどうなる? 大学進学を決める時には1970年安保目前。農村の医者二代続いた家柄。慶応に行きたいと言ったが、反対された。国立大学の医学部へ。卒業して、私立の病院に行きたいと思った。科を選択するのは消去法で決めた。その頃、乳児死亡や妊産婦死亡が多く、産婦人科はダメ。小児科を選んだ。 ところが、下についた部長が小児がんのスペシャリストだった。 大人のガンは3人に一人がなり、二人に一人がそれで死ぬ。上皮性の悪性腫瘍。 小児がんは一万人に一人。筋肉などの深いところから出る肉腫。出来上がった途端に体全体に広がる。切り取っても治らない。 代表的なものが白血病。血液の中に薬を入れて、やっつける方法を考えた人がいた。ハーバード大での実験。アミノプテリンを投与して16名中10名、寛解するも数週間で生存率ゼロ。1948年。 部長だった西村先生。ハーバード大留学し、1960年、帰国。 しかし、指導していたファーバーさんが、敗北宣言。1966年。西村先生は、日本で、予後不良の病気なのでトータルケアの大切さを説いた。家族の経済も含めて支援が必要なのだと。 「わが国のように、経済的に余裕の少ないところで、かかる不治の小児がんの治療が受けいれられるかどうか、不明である。」 Dr. Sutowは福島からハワイへの移民の子供として成長。医学部に入学後しばらくして太平洋戦争になる。ユタ大学を卒業した年に終戦。ヒロシマ・ナガサキのABCC研究所で白血病の治験に当たった人。その人がいたテキサス大学に細谷さんは1977年に留学。 その時はすでに小児がんの子どもを何人も看取っていた後。 最初の患者は忘れられない。あやちゃん。痛かったろうなあ。下手くそだった私のことをラジオで話しをした。30年ぶりにお母さんが手紙をくれた。電話してみた。「うちのあやは先生のことを大好きだったよ」 見送ったのは三人のチーム。「よく頑張りました。でも、もうどうしようもありません」と家族に伝えて一番年上の先生は去った。「先生は部屋の隅でずっと、涙を流しながら立っていたんですよ。その姿が、慰めになった。」と言われた。 記憶にはない。赤い着物を着せてお棺に入れたことは覚えていた。 12月8日に聖路加病院を辞めて、アメリカへ渡航することになっていた。その時、担当していた患児が三人。その一人、陽子ちゃんが日本をでる最後の日に急変して、出発の日に亡くなっていた。 その三人の保護者の方々が子どもを亡くした遺族が集まる会を作った。 帰国後、その患児の保護者の会に出た。出て、泣く遺族とともに泣かなければならない。出席するのが辛かった。何年も何年も参加し続けて、ずっとずっと泣いて、わかってきた。こうやって少しずつ腑に落ちていくんだなあ。と。 昨年、陽子ちゃんの母は子どもを亡くしてから40年になっていた。それでも泣く。みんなで泣く。涙を流すことが辛かったけれど、涙を流すのは悪いことではない。 陽子ちゃんに絵本を読んであげる。すぐに寝付く。それでも、最後まで絵本を読んだ。お母さんが、あの子は番付をつけていたんですよ、と。寝る時にそばに来てくれた人がいた時間をメモにつけていた。先生が一番長かったんですよ。 なくなって終わりではない思い出。 今、小児がんは五年生存率が8割、9割になった。 良い医療チーム 子どもに病名の告知をしっかりする。 1980年に帰国。 両親への告知 ・揃って来てもらう ・おちつける場所と時間 ・希望を失わせない ・正確な情報 治すことはできないが、いい時間をすごい、痛くないようにする。 病気の子への話 ・ウソをつかない 全部を話すということではない。「おうちに帰った」とちゃんと話す人にバトンタッチ。 ・わかるように ・あとのことを考えて 学校で子どもがなくなることがある。例えば、動静脈奇形。死亡のことを学校が言わないで済ますと、大人に対する信頼感を損なう。 がんは子どもの死亡原因の第一位。 10-19歳 悪性新生物 15-19歳 自殺、不慮の事故、悪性新生物 この写真の子どもは、告知をした子。在宅で緩和ケア。ちゃんと説明されて、お父さんとお母さんが心を開いてくれると、楽しく過ごすことができたりする。 クリニクラン。 動物が子どもを助けてくれることがある。JAHA。獣医の団体で施設訪問する活動。 副島先生というクラウン活動の代表。クラウンも犬と同じように考えてくれると気が楽だと。 ケア犬はポジティブ・トレーニングを受けている。いいことをした時に褒める。人間は悪いことをしない、と信じ込ませるトレーニング。 悲嘆は 亡くなり方、年齢 によって違う。 はかなさ、悲しみ。 日野原重明さんの死を儚いという人はいない。 つくしの会の活動。 死亡数の変化の年表。毎年100万人ほど死んでいる。大正9年が突出しているのは、スペイン風邪で大量死があった。 いつも、ピンク(0-14歳)が志望の1/3くらいを占めていた。 1970年ごろにほとんど死ななくなった。 1950年 24万人。 2010年 100万人の中で2000人。見えなくなる。 病児と24時間過ごす家族も。40年間ケアし続ける人もいる。どうその生を支援できるか。 滝川市にキャンプ場を作った。ドラッグストアのレジに置いている募金箱も役立っている。 1億5000万円、年間かかるが、なんとかなっている。 もみじの家。大変な人たちは、私たちにいろいろなことを教えてくれる。弱い人、弱かったが故に亡くなった人。要望を出してくれる。 先ほどメッセージを寄せてくれた高木先生はシスター。福知山線事故の後、108人、その遺族と加害者側を集めた特別講義を行った。聖トマス大学にて。事故直後。それぞれがこの人は加害者、被害者とわかるオーラを出していた。10年経ったら、わからなくなった。人は学ぶ。 小児がんの子どもの保護者の会。50周年。相談会。「死にたい」という方一人に対して1時間半。なくなった小児がんの子どもがすぐそばにいる気がするようになった。 曹洞宗。「死んだ後どうなるのですか?」「そんなことはその時に考えればいい」。親しい人を亡くして死にたいと思っている人には向かない宗教だなあ。と。 その人は、遺骨を浄土宗、知恩院に納骨している。南無阿弥陀仏と唱えれば、極楽。親鸞さんは、戻ってくるとまで言う。 そんな話をしていると、普通じゃない状況になる。切符を落とす、旅費を落とす。車掌さんが調べてくれて、二度払いは不要になった。次の日に電話したら、届いていた。 15:47終了。 聖路加病院での絵本の読み聞かせを続けている。 入江さんとの対談。『大丈夫。』という言葉。 往相回向。変相回向。 過去は変えられないけれど、過去の捉え方を変えることができる。 日野原先生の俳句は標語。 「蟻潰す 偽善者の指 唾で濡らし」
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| 2017-12-09 20:54
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