はだしのゲン わたしの遺書
中沢啓治、朝日学生新聞社、2012
2938冊目
2011年に作られたドキュメンタリー映画『はだしのゲンが見たヒロシマ』のほとんど台本のような内容。撮影されたのは2009年。
http://www.cine.co.jp/gen/
中沢啓治さんは映画の中で「100歳まで生きる」と言っていたが、2012年に亡くなった。亡くなった後の『はだしのゲン』撤去運動はひどかったね。
著者が何も言えなくなった時に、その作品を誹謗するようなことまで言うとは。
http://ericweblog.exblog.jp/18421439/
動画とこの本はこれからも『はだしのゲン』の価値を保つのに役立つはずだ。作者の人柄、作者の自伝のようなこの漫画が、実際には原爆の残酷さの万分の一も伝え切れていないことを知るからだ。
被爆者が高齢化し、新たな証言を聞くこともできなくなる日は近い。
彼らの体験、苦しみを伝えるだけでなく、その価値を無化するような言説を許さない声を上げ続けていくことも大切だと言うことが、この事件からもわかる。
そのためにも、中沢さんの人柄に触れることのできるこの本やDVDを是非手にとってほしい。