自治体アウトソーシング 改訂版Q&A 指定管理者制度と地方独立行政法人の仕組みと問題点
自治体アウトソーシング研究会、自治体研究社、2004
2936冊目
2012年「放課後等デイサービス」制度によって、子どもの放課後に企業が参入。NPOであったとしても「サービス」として提供されることには違いがない。
学校のサービスや地域の主体的な活動であったものが企業に任される。
その傾向は様々なむ分野に及んでいる。また、非正規雇用も自治体においても学校においても進んでいる。これはどう言うことなのだろう?
この本は小泉構造改革の時代に書かれた。郵政民営化がすすめられた時のことである。
問題は公共的な意味合いの強い社会的インフラを(ソフトも含めて)、民間の営利企業に任せて良いのかと言うことと、もう一つは、それらのインフラには公共的な資産がすでに投入されているのであり、その資産移転という問題にならないかということだ。
行政とは何を行うものなのか。
社会的不平等を是正するための保護と規制、制度を作り出すこと。それが行政の責務だ。
研究会は自治体スリム化・市場化の手法として以下のものをまとめている。p.17
1. 「公の施設」の指定管理者 2003年の地方自治法244/2の改定により
2. PFI法 1999年制定。公共的施設の建設の段階から民間企業に委ねる
3. 地方独立行政法人 2003年新設の制度。大学、社会福祉事業など。
4. 地方公営企業法 事業収入を持って経費を支弁することを原則とする。
5. 任期付フルタイム・パート公務員制度
6. 構造改革特区法
7. 労働者派遣・偽装請負
8. 有償ボランティア・NPO
9. 市場化テスト
結果、自治体リストラと雇用の劣化が進んでいる。
これで国民は幸せになるのか?
以下、それぞれの問題点についてQ&Aがある。
・図書館
・公民館
・学校給食調理業務民間委託
・水道事業
・病院
・道路、港湾、公営住宅、都市公園
・大学
学校における地域運営協議会方式
教育基本法の改定
教育基本法が変えられたのは2006年だよね。第1次安倍内閣。
など、教育分野においてもちぐはぐな民営化がすすんでいる。「忖度」型民営化は、これまでの私立校の伝統をも無効化するのではないだろうか?