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未来にツケを残さない フードバンクの新しい挑戦

未来にツケを残さない フードバンクの新しい挑戦 

誰でもできるフードバンクの作り方

糸山智栄・石坂薫、原田佳子・増井祥子、高文研、2013

2931冊目


フードバンク岡山とあいあいねっと(広島)が先行団体の活動に学びながら、設立に至った物語。「疾風怒濤編」!


そして理論編。


フードバンクを立ち上げるのに許可も登録も資格も必要ない。

ただ、推進団体などのネットワークが自分たちなりの規範や方針を作成している。こちらは全国フードバンク推進協議会。

http://www.fb-kyougikai.net/foodbank


日本におけるフードロスは年間632万トン。

図に書いている左側の供給サイドは、探せばあるということだ。特に食品産業から出されている半分、300万トンは、整った形のものばかり。


右側の受け入れ先も、探せばある。あるいは「こども食堂」や「コミュニティ食堂」などの場づくりも行なっているケースもあるだろう。


行政との連携で生活保護の申請に来た人に対して、迅速に食品を提供しているのが「フードバンク山梨」だ。目指すのは「食のセーフティネット」。


つまり、フードバンクとは、

・食品ロスという地球的損失、食品廃棄という環境負荷をなくす。

・食のセーフティネット

・地域のつながりづくり

などなど複数の目的を満たしている。


食品はリアルなものだ。だから在庫管理、出庫管理、移送などリアルな人手とコストがかかる。そこをどう工夫するかがポイントだが、現在のWebサービスがとても役立っているという。そうだろうなあ。


フードバンク岡山が扱う食品の51%が野菜や果物というのも驚いた。以前みたドキュメンタリー映画で、米国のホームレスや貧困家庭が新鮮な野菜が食べれないので菜園を始めたというのを見たことがあるからだ。

http://ericweblog.exblog.jp/23457963/



あいあいネットではレストランも運営している。「まめnanレストラン」!

場があるということは、提供品の活用以外にも、イベントの場、居場所作りなど、人と人との繋がりにも貢献します。


食品ロスと貧困の両方を解決する地域のネットワーク力。


リアルなものだけに、小回りのきく地域ベースドな団体が大切だよね。


活動と課題が多岐にわたっているために、わかりやすい本だとは紹介しにくいが、多彩さは理解できると思う。まずは、手を上げて始めるところから、かな。


地域の範囲や課題を抱える人々が見えにくい東京。まだまだ若いと思っている間に、やっておくべきことがあるのではないだろうか?



by eric-blog | 2017-11-10 12:35 | □週5プロジェクト17
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