「子どもの貧困」 解決への道 実践と政策からのアプローチ 浅井春夫、自治体研究社、2017 2753冊目 著者は立教大コミュニティ福祉学部をこの3月に定年退職。今後も研究活動を継続することが研究者としての本気を示すものだと、あとがきに言う。学問的誠実さとは何かを昨日議論していたことを思い出した。 そして、国・行政は、子どもの貧困問題について本気ではない、と指摘する。 まったく、それが大問題だよね。 児童養護施設における高等学校進学率は1974年以来、格段に改善した。しかし、課題は終了率と大学進学率だと、著者は言う。中卒の学歴での求人数はわずかに880人だというのだから。162 大学中退率は児童養護施設からの学生の方がはるかに高い。158 親からの仕送り金額は1986年の調査開始以来、最低になっている。86700円。 入所理由の最大は「虐待」であるが、虐待につながる要因は、経済、ひとり親、不安定な就労など、貧困問題が根底にある。160 第4章では子どもの貧困対策法、逐条検討。88 あいかわらず、「目的」が曖昧だよね。 ・削減目標などの具体性がない。 ・責任体制を明示せず「子どもの貧困対策を総合的に推進」としている。 ・子どもの年齢を明らかにしていない。25歳程度までにすべき。 第二章 乳幼児の貧困 57 1. 健康・医療 2. 衣食住の基礎的生活 3. 経済 4. 保育・幼児教育 人生初の貧困問題が、与える影響はとても大きい。 そして、貧困問題全般を問い直す必要がある。 人間らしく働くことができなくなっているからだ。61 低所得水準にあるだけでなく、(働き方改革のおかげで)雇用側の自由裁量が強くなり、長時間・コマ切れ・非定型的な労働が子どものいる家庭生活に否定的な影響を与えている。62 貧困の世代間連鎖にストップをかけることができるのか?
by eric-blog
| 2017-04-10 12:37
| □週5プロジェクト17
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