水力発電が日本を救う 今あるダムで年間2兆円超の電力を増やせる
竹林公太郎、東洋経済新報社、2016
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多目的ダムが水力発電をダメにした!
ダムはもっと発電中心を考えて運用すれば、再生エネルギーによる電力供給が増やせるのだ。
竹村氏の提案は、これだけ水害が増えている日本で、しっかりと耳を傾け、予備放流をはじめ、もっと河川管理にコストをかけて行くという必要な対策からも、うなづけるものだ。水害が怖いからダムを空けておくというだけでは、河川管理能力は高まらない。
60年前に作られたダム運用のあり方が、技術革新によって変更可能になっている。気象予報技術がそれだ。29
運用のあり方を変えるには河川法を変える必要がある。36
「水はみんなのもの」
日本に一年間に降る雨や雪の位置エネルギーを、全て水力発電で電力に変換されると、7176億kWhになると試算されている。98
今の電力需要の70%ほどを賄える。
砂防ダムも、発電用に転換することも可能だと著者は言う。
全く、あれほど、「作りっぱなし」のものはないと山仕事をしていて常々思う。法律や運用でどうにかできるのなら、やろうじゃないか。
これからますます水に関連した災害は増加するだろう。
だからこそ、河川管理にかけるコストを、一石二鳥の考え方で進めるべきだと思う。