これがすべてを変える 資本主義vs気候変動
This Changes Everything、2014
ナオミ・クライン、岩波書店、2017
2908冊目
気候変動条約国会議に向けてナオミ・クラインが映画をリリースしてからすでに2年が経過した。
http://ericweblog.exblog.jp/21919196/
http://ericweblog.exblog.jp/21862127/
この上下巻合わせて600ページ超えの大作がとうとう訳出されました。
主張していることは映画の内容と同じく、「気候変動はなかった」と主張する科学者たちの裏話、そして抵抗運動。
希望を感じるエンディングが本にもある。
終章「跳躍の年」
私たちはこの時代の申し子であり、支配的なイデオロギープロジェクトの産物なのだ。このイデオロギーは私たちに、自分が他人より少しでも優位に立つことで満足を手に入れようとする個別の存在に過ぎないと考えるように刷り込み、同時に大多数の人を、大きなコミュニティから切り離してきた。
気候変動との闘いは、世界観をめぐるはるかに広範な闘いの一部として捉えない限り、実を結ぶことはあり得ない。
共同性、共有、公共性、市民性、市民権という理念の再構築、再生させるプロセス。616
人々の思考回路そのものを変える。
最低所得保障を求める大連合。普遍的な社会的セーフティネット。
私たちを危機に陥れた物語に代わる新たな物語を語る。617
否認は、心の底には対応すべきという倫理的要請を持っていることの証。(カリ・ノーガード)
Kari Norgaard, Living in Denial: Climate Change, Emotions and Everyday Life, 2011
おおお、昨日の「記憶と忘却」にも通じるね。
東京新聞 2018年10月4日