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スキル「あなた」 2017年10月28-29日 ESDファシリテーターズ・カレッジ2017



ERICの研修はすべて「参加型」のアクティブ・ラーニング。経験学習の四段階で進めます。 


経験とふりかえり、ふりかえりと学び、学びと実践を「行きつ戻りつ」するW型を繰り返して、実践力であるスキルに習熟していきます。


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■プログラムに取り入れたい要素


  • わたしはなぜその対立について何かを主張したいのか、見過ごせないのか
  • 見過ごすこと、無為であること、意思表示をしないことの課題は何?
  • 多くの課題の専門家になることはできるのか? APA本に反論できるのか?
  • では、どのような自己主張をすればいいのか?
  • 伝えたいこと、伝えなければならないこと何か?
  • 投書、書き込み、つぶやき集。




■二日間のプログラムの流れ


セッション1 共通基盤づくり「あなたは言える?

11:00-13:00

1. 研修への期待

2. 「わたし」から「あなた」へ

  ・マイクロアグレッション 共感ではなく、「わたし事」に

  ・あなたなら言える?

■ちがい ドキドキ 多文化共生ナビ ~在日外国人教育実践プラン~

http://ericweblog.exblog.jp/237576902/


なくそう! 職場のレイシャルハラスメント

http://ericweblog.exblog.jp/237781140/


3. 「わたし」を育てるアサーション

4. 話し合いの心がけ


セッション2 流れのあるプログラム「アサーション・トレーニング」

14:00-16:00

1. アサーションって何だ?

2. 非攻撃的自己主張を可能にするもの「誰対誰」

3. ダブル・バインドが阻む自己主張

4. あなただけじゃない。アドボカシーにつなげよう。


セッション3 ふりかえりと学び

16:00-18:00

1. できている事、課題

2. 人権を通しての教育を実現するには

3. アドボカシー、協力の崩壊。何が今の危機をもたらしているか?

4.  Whole School Approach, Learning Organization, 生涯学習社会


二日目

セッション4 アクティビティ、プログラムの開発

9:00-11:00

1. 「関係性」の力を阻むもの

2. スキルを育てる五つの手立て

3. 手立てをカリキュラムに鏤める


セッション5 アクティビティ実践

12:00-14:00

1. ファシリテーション実践の評価と点検


セッション6 ふりかえりとまとめ

14:00-16:00

1. ファシリテーションのふりかえりと成長の課題

2. 個人的行動計画

3. アドボカシーにつなげよう

4. 修了証




■スキル「あなた」について


『対立から学ぼう』は対立を「誰対誰」で分類して、次のように整理しています。(p.103)


自分 vs. 自分内的対立=自己矛盾や葛藤のことですね。

人 vs. 人個人間対立=考え方や価値観の違いから来る対立。

集団 vs. 集団グループ間対立

国 vs. 国国際的対立


ERICでは、これらの分類に当てはまらない対立として「日本型コンフリクト」という対立を研究し、定義するに至りました。それは「個人 vs. 集団的伝統的価値観を体現していると思っている個人」の間の対立です。


一方で、「対立の扱い方」の一つ、アサーション、非攻撃的自己主張の考え方は、黒人差別や女性差別に対して、攻撃的にならずに、しかし、受身的でも我慢するのでもなく、自分自身の感情と価値観をしっかりと表現する方法のことです。


というのも、確かに黒人差別、人種差別、女性差別に対して、被差別者は集団で戦い、権利を認めさせ、回復してきました。しかし、日常生活では、被差別者がいつも集団を頼みにすることはできません。個人として「集団」の価値観を背景として差別的な扱いをする人、抑圧する人に対抗する必要があるのです。


そういう意味では「アサーション」というのは日本型コンフリクトにおいても有効な、被抑圧者が習熟すべき自己主張の方法であると言えます。


それは「マイクロアグレッション」や「レイシャルハラスメント」についても同様です。これらは支配的な「力」の側、多数派側の集団を背景にした価値観と、被差別者という集団の対立であり、その対立は必ず「個人 vs. 個人」として、わたしたちの日常に出現するからです。


「個人」が不在の「集団」はないのです。


徹底的に「アサーション」を習熟しましょう。バリアはどこにあるのでしょうか?


支配者側でありたい、そこに擦り寄りたいという願望が、最大のバリアなのではないでしょうか? 主張することで不利益を被るから、主張できないのではないでしょうか? 


アサーションは、そこへの手立てを持っているのでしょうか? だからこそ、アサーションの背景に「アドボカシー」を行使する必要があるのです。アサーションがさらなる隠れた差別の助長に繋がらないようにするための社会的圧力です。


個人と集団、その間の手立ての補完作用と相乗効果が必要なのです。運動と繋がらないアサーションは、被差別者の不利な扱いを改善することにはつながらない。


そのことを今回の研修ではしっかり確認したいと思います。


では、どこで、どのように運動とつながればいいのでしょうか?


『女たちの避難所』、性暴力への訴え、

『どん底』を通して、運動と個人の関係を考えたいと思います。


『朝鮮人強制労働追悼碑』

『ピースおおさか加害展示改変』

『南京大虐殺否定本を設置しているアパホテル』


どんな人たちが関係しているのか

誰のどんな利害が損ねられているのか


なぜ、わたしはその「対立」を引き受けるのか

わたしが言わなければ、どうなるのか




by eric-blog | 2017-10-21 12:34 | △研修その他案内
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