不幸な国の幸福論
加賀乙彦、集英社新書、2009
2898冊目
『昭和のくらし』に、日本の財政が公共投資に偏っていて、社会保障費への還元率が低いことを加賀乙彦さんのこの本から引用されていた。
え? 加賀乙彦さんって経済学者だっけ?と思ったら、引用された部分だけがそのことを紹介していて、その他はいつもの精神医学者。
くだんの箇所は第二章「不幸増幅装置」日本。
いくつかの要素が指摘されている。
・経済優先で「踏車」状態
・流され続けた日本人 政治的に江戸時代からの「考えない」資質が続いている。市民がいない。
・わからない、興味がないが不幸な国を作る。
ちなみに、第1章は、幸福を阻む考え方・生き方。
ではどうすればいいかが第3章から。社会も帰る必要があるのだが、まずは、自分の考え方から。
幸不幸を決めない。
広い視点から考える。
比較しない。
自ら生み出す。
自分を喜ばせてくれる何かをもつ。
医師数もOECDの平均3.1人より低い2.1人、社会保障還元率も最低。
これで国民が幸せになれるはずがない。
しかも公共投資系のお金は「権力的財政」だからね。
そうだったんだ。これまで「権利的財政」と私が言っていたのはこのことだったのね。