デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士
丸山正樹、文藝春秋、2015、単行本2011
2896冊目
なんじゃ、このタイトルは?! 著者紹介のドキュメンタリー作家、シナリオライターなどの経歴からも、てっきり実録ものだとばかり思って読んでしまった。
1961年生まれ。しかも身近に聴覚障害者などもいない人が、ここまで書けるのかと、ライターの取材力に驚いてしまう。
主人公は、「当事者に近い健常者」
コーダ Children of Deaf Adults CODA ろう者の大人の子ども。
物語は、刑事ものなのである。とっても御都合主義がちりばめられた華やかさと、行動力と、暗さと明るさを併せ持ったミステリー、犯人探しの推理。
そして、主人公自身の隠された過去。エーーーー、そうなの? そんな勇気ある人なの?
思わず読んでしまったじゃないか。
2011年の単行本の出版時は、ちょうど震災直後。障害のある人からも感想が寄せられたという。障害がある人々についての理解が少しでもすすむことに共感が得られたということか。
とはいえ、健聴者の感じるろう者との壁は、コミュニケーション能力とは別のところであり続けるのだろうなあ。「ああ、あなたはあっちの人なのね」と。
日本手話の立役者であり、手話言語の地位向上に大きな功績のある木村晴美さんをモデルにした登場人物も、しっかり書き込まれている。
■日本手話について
http://ericweblog.exblog.jp/23363793/
http://ericweblog.exblog.jp/23284403/
■わたしのいないテーブルで
東京創元社、2021
ディナーテーブル症候群
デヴィッド・ミーク博士の研究
https://sites.google.com/view/rounabi/dinnertable/dinnertablejsl
愛情は感じるがつながっていない。
Meek氏論文
https://nsuworks.nova.edu/tqr/vol25/iss6/16/
■慟哭の声は届かない
2019
かなり面白い。
手話者の場合も「3T」が大切なんだなあ。
Tune In
Talk More
Take Turns