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ERIC news 559号 PLT事務局ニュース GS連載を終えて

「グローバル・セミナーをふりかえる~今と未来の教育のために」連載を終えて

(鬼木たまみ)


ERIC1990年から2005年に開催した全14回のグローバル・セミナーを連載という形で約4ヶ月にわたって紹介いたしました。読んでくださった方の中には実際にセミナーに参加した方もそうでない方もおられたと思いますが、いかがだったでしょうか。

今回は連載を終えたいま、私が原稿を書きながら、思い、感じたことを書いてみたいと思います。


グローバル・セミナーが始まったERICの草創期の頃、私は当時働いていた大阪のNPOの活動の中でERICや参加型の学びに出会いました。海外から講師を招き、翻訳出版と併せて開催されるセミナーや参加型ワークショップの斬新さや魅力に惹きつけられたのは私だけではなかったと思います。関西で参加した地域セミナーで講師の通訳をするスタッフが単なる通訳ではなくファシリテーターとして適切で的確な言葉と態度でワークショップを進めていたのを今でも鮮明に、印象深く覚えています。


私が地域セミナーではなく、グローバル・セミナーに初めて参加したのは、2000年に開催した『ワールド・スタディーズ』の著者であるサイモン・フィッシャーさんを招いた第12回です。スタッフとして企画や運営の一端を担い、かつ、ひとりの参加者として参加しました。“スタッフも参加者として参加する”、これは参加型の学びのスタイルをとるERICでは当たり前すぎるほど当たり前なことなのですが、その時の私にとっては目からウロコが落ちるほどの驚きでした。


それまでも私は主催者やスタッフとしてセミナーや研修の開催経験がありましたが、当日は受付や懇親会の準備、講師や参加者対応などのいわゆる裏方業務に追われ、終了後のアンケートまとめやテープ起こしの作業を通して、初めて当日の内容を知る、というのが常でした。

私は相応のエネルギーと時間を要して準備したせっかくの学びの場と機会を自ら放棄していたことに気づき、「もっとどん欲になっていいんだ!」と目の前がぱっ~と明るくなったあの頃の良い意味でのショックを今回の原稿を書くことで思い出しました。


連載の途中で少し触れましたが、セミナーの資料が収められている開催回ごとのフォルダーにはミーティング記録や講師との事前打ち合わせのFAXe-mail、スタッフ用の当日資料などが残されています。それらの資料を読むと、セミナーの企画、準備段階から、当日、終了後、とセミナーに関わったスタッフが一番、学びの成果を得ているのをうかがい知ることができます。


連載記事は、開催趣旨や講演録などを引用しながら、セミナーの概要や公開可能な資料の紹介を中心に構成しました。毎回、膨大な資料の中からどの部分を引用したら良いのか迷いましたが、1020数年の時を経て、今だからこそあらためて伝えたいメッセージを選び、紹介いたしました。連載では紹介しきれなかった資料は、ブログにあげていきたいと考えています。


グローバル・セミナーの連載は一旦、終えましたが、今もERICの「収活」のひとつとして過去のプロジェクトの資料をコツコツと整理、デジタル化の作業をしています。量が多いのとどれも内容が興味深いため、なかなか作業が進まないのが悩みの種ですが、ひとつひとつ。

ERICの学びと活動の蓄積をまた、あらためてみなさんにお届けしたいと思っています。ひき続き、よろしくお願いいたします。


  • ブログ「グローバル・セミナーをふりかえる~今と未来の教育のために」

http://globalseminar.exblog.jp/24234959/



by eric-blog | 2017-09-15 14:53 | ERICニュース
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