ERIC NEWS 553号 atERIC/from ERIC 連載グローバル・セミナーno.12

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ERIC NEWS 553号 atERIC/from ERIC  ともによりよい質の教育をめざして  2017年8月6日

ESDファシリテーターズ・カレッジ! すべての学びを参加型で!

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                   (文責: かくた なおこ 角田尚子

                     http://ericweblog.exblog.jp/

twitter : kakuta09  FBもやってます。)


 PLTファシリテーター養成講座の報告をまとめながら、なんだか骨格だけだなあと、研修のおもしろさ、臨場感が伝わらない感じにちょっとがっかり。

http://ericweblog.exblog.jp/237401472/


 参加型の面白さは、まさしく、その場で起こっていること、そして、その場で起こっていることがあるからこそ、その体験から学ぶということが、一人一人の参加者に起こっていることにあります。


 今回の研修では、1. 物語の有効性、2. 一人作業の重要性 の二つが特に印象に残りました。


 PLTアクティビティ#18「太陽の物語」は、北米先住民に伝わる伝承物語で、さまざまな動物たちの努力と協力で、太陽の恵みを全ての生き物が享受できるようになったのだということを教えています。


 物語から何を読み取るかは個人個人異なります。読み取りの多様性をシェアすることも学びの楽しさ、深さに繋がります。その上で「物語とは何か」をまとめた上で、自分自身の物語を作りました。たった3分ほどで作ったのですが、みんなそれなりにできていたので、驚きました。


 わたしが作ったのは「ひいらぎの赤い実、葉っぱのとげとげ」についての物語です。作って見て、科学的に「正しい」物語であるかどうかにかかわりなく、物語に登場させたひいらぎに親近感を覚えるというか、距離が縮まるというか、見る目が変わるように思いました。


 物語を作る。


 ぜひ、環境教育で取り組んで見てください。


・自分の持っている物語に気づく

・共に大切にしたいものを共有できる

・未来のための行動を選択できる


そんなことが達成できるのではないでしょうか。



◆◇◆目次◆◇◆


◆◇◆1. 連載「グローバル・セミナーをふりかえる~今と未来の教育のために」No.12

◆◇◆2. ファシリテーター・ハンドブックの活用

◆◇◆3. ESDファシリテーターズ・カレッジ2017 のご案内

◆◇◆4. by ERIC 在庫処分2016!

◆◇◆5. with ERICこれまでの活動



◆◇◆1. 連載「グローバル・セミナーをふりかえる~今と未来の教育のために」No.12◆◇◆


この連載では、ERICが設立当初から10数年にわたって開催したグローバル・セミナーを紹介しています。(担当: 鬼木たまみ)


◆◇第11回 グローバル・セミナー(1999.6.26-27)

  • テーマ:国際理解教育の推進に向けて
  • 講師:池田満之(岡山ユネスコ協会・理事)、稲垣有一(大阪市立市岡小学校・教頭)、八木佳子(品川区立八潮小学校・教頭)、米田伸次(帝塚山学院大学国際理解研究所・所長)、角田尚子(ERIC・事務局長)
  • 出版:『環境教育指導者育成マニュアル-気づきから行動へ 参加型研修プログラム』


第11回グローバル・セミナーは、東京YMCA国際奉仕センターとERICの共催で行われました。


11回目を迎えたセミナーは、前回までの海外講師の招聘や翻訳出版、先進事例の紹介というやり方を踏襲するのではなく、参加者とともに、過去のグローバル・セミナーやERICの活動をふりかえり、NPOとしてのERICの未来を探り、国際理解教育推進のための人材育成やカリキュラムづくりなどを考えるプログラム構成となっています。


セミナーに先立ち、小中高の教員を対象に行った「国際理解教育への取り組みに関する調査」や、ERICのオリジナルテキスト『環境教育指導者育成マニュアル』の発行、セミナーのプログラムとしてのERIC総会の開催、「総合的な学習 ERIC5つの提案」をまとめ、提言したこと、などはこの回のセミナーの大きな特徴といえるでしょう。

1989年から10年間、ERIC国際理解教育センターは、ユネスコ国際教育勧告がいうところの、環境、人権、開発、平和等の分野をカバーした広い意味での国際理解教育を海外の取り組みを交えながら実践してきました。それは相互依存が増す中で諸問題が地球規模化(グローバル化)しており、常にその諸問題を包括的に考えていく必要があるからです。

 このような国際理解教育の取り組みの中からERICは、次のような認識に至りました。

1 グローバルな人類共通の学習課題は「人権」と「環境」に集約されること

2 教育の変革のためには、学校コミュニティを育てる視点が必要なこと

3 教育を推進していく基本として、自己理解、コミュニケーション、コミュニティ意識といった能力が必要であり、その実現のための手法のひとつとして「参加型」があること


 今回のグローバル・セミナーは、以上のような3つの「気づき」を共有し、また今後の取り組みについて参加者のみなさんと考えていく場、時間として企画いたしました」(セミナー「開催趣旨」より)


「「参加」は「創造」であるとこのマニュアルでは述べています。これから21世紀を生きる私たちにとって、人間の知恵を「創造」にまで高めることができる「参加」に未来への期待を抱かずにはおれません。そのような思いがこのマニュアルを通して皆さんと共感でき、また、このマニュアルが未来を拓く環境教育のファシリテーターを育成される皆さんのお役に立つことを願っております」(『環境教育指導者育成マニュアル』「編集後記」より)


21世紀に入って17年が経ったいま、私たちは「参加」によって、人間の知恵をどれほど「創造」まで高めることができたのでしょうか。



*提言「総合的な学習 ERIC5つの提案」とアンケートの実践事例をまとめた「GS’99国際理解教育実践事例」はレッスンバンクにおさめられています。


*第11回グローバル・セミナーの当日プログラムはこちらからご覧になれます。

http://eric-net.org/project/global_seminar/gs99_news.pdf


*「総合的な学習ERIC5つの提案(抜粋)」、分析の枠組みを取り入れた総会資料、アンケート調査用紙、はこちらからご覧になれます

http://eric-net.org/project/global_seminar/gs99_lb.pdf(ERIC5つの提案)

http://eric-net.org/project/global_seminar/gs99_handout.pdf(総会資料)

http://eric-net.org/project/global_seminar/gs99_research.pdf(調査用紙)


テキスト『環境教育指導者育成マニュアル』を紹介したERIC NEWSアーカイブはこちらからご覧になれます

http://archives.mag2.com/0000004947/20060716070000000.html


  • テキスト、レッスンバンクのお申し込みはこちらからどうぞ。

・「総合的な学習 ERIC5つの提案」(LB1-6):10ページ、200円

・「GS’99国際理解教育実践事例(18事例)」(LB2-8):20ページ、400円

http://eric-net.org/text-order.html


[追記: かくた]

『環境教育指導者育成マニュアル』400ページ超のテキストの執筆は本当に大変だった。ほとんど腱鞘炎的なまでに腕を酷使し、この後、わたしはストローク数の少ないカナ入力に変えました。キッパリ。

執筆にも、編集にも加藤千尋さんとの二人三脚、その他、調査の段階から、たくさんの人の協力で出来上がった本。今も、わたし自身が環境教育を行う時の大切な参考図書です。

執筆当時、3月末の脱稿を固く心に誓い、娘との会食を敢えて日程に入れました。ちょっとだけ、やり残しつつ、この約束だけは果たしたことも懐かしいなあ。その彼女も今や二人の子の母ですが。

テキストの開発だけではなく、どう広げるかが課題だということもよくよく見にしみた出版でした。そう思うと、PLTガイドは、すごい体制を作っていると思います。



グローバル・セミナー全14回のテーマ・リスト

第1回 地球の未来と教師の役割(1990)

第2回 イギリス・オーストラリア・アメリカの国際理解教育に実践に学ぶ(1991)

第3回 環境教育・PLT(1992)

第4回 食糧 フード・ファースト・カリキュラム(1993)

第5回 協力、コミュニケーション、セルフ・エスティーム(1994)

第6回 わたしから始まる国際理解教育 自己理解と参加(1994)

第7回 フォトランゲージを学ぶ(1995)

第8回 地球のみかた(1996)

第9回 対立から学ぼう(1997)

第10回 未来を学ぼう (1998)

第11回 国際理解教育の推進に向けて(1999)

第12回 対立を超えて・世紀を超えて 地球の明日とわたしたちの力(2000)

第13回 生涯学習社会の実現に向けて(2002)

第14回 いっしょに考えて!教育(2005)

( )内は開催年



◆◇◆2.  ファシリテーター・ハンドブックの活用◆◇◆


 今回のPLTファシリテーター養成講座で使ったハンドブックは、PLTのファシリテーター・ハンドブックに準拠した部分を整理したものです。2008年に訳出、以来活用して来たものがベースになっています。


目次

I. ワークショップの教授方略

1. 構成主義理論と経験学習

2. 全体言語主義と多様な学習モード

3. 協同学習とわたし、あなた、みんなのエンパワーメント

4. 問題解決学習とコミュニティの課題解決

5. 概念・理念を教育的ツールに


II. ワークショップを開催する


1. ワークショップを計画する

2. 共同ファシリテーター

3. 単位を認定する

4. ワークショップ、時と場所

5. ワークショップを広報する

6. 対象となる聴衆について

7. アクティビティを選ぶ

8. アクティビティを決定する


ワークショップ計画チェックリスト


ここまでで14ページです。今回の研修で活用したのは「I. ワークショップの教授方略」の部分の、しかも「目次」でした。ハンドブックのページ数で言えば4ページほどでしかない部分です。「経験主義」や「構成主義」などの抽象的な概念は、参加型学習の中で検証され、点検されることで、身につくものなのだなあと、実感しました。

「II. ワークショップを開催する」も同じではないでしょうか? 大切なのは「項目」で、その項目について、グループ討議をして自ら考えれば、本文に書かれたものとよく似た内容の事柄を、わたしたちは考えつくことができるのではないでしょうか。


 では、目次以上の何が「本文」には求められるのか? 次なる課題です。


 ハンドブックに含められていなかったもので、配布資料として活用したのは以下のものです。全てがワークシートです。「目次」の項目に続いて大切なものは、その項目について深めるためのワークシートだということでしょうか。


・流れのあるプログラム実践省察評価表  (セッション3、ふりかえり)

・ESDfcアクティビティ・プログラム改善立案表(セッション4)

・ESDfcアクティビティ実践評価表(セッション5)

・アクティビティ改善の視点(セッション6)

・個人的行動計画(セッション6)


ファシリテーター・ハンドブックには、研修プログラムの実際として、12時間研修の構成に合わせた内容が続きます。以上にあげたワークシートは、その内容ということになります。


III. ワークショップの構成  12時間研修


セッション1 共通基盤づくり

セッション2 流れのあるプログラム

セッション3 PLTの教授法と活用  活動形態/ESDの理念

セッション4 アクティビティづくり 改善表

セッション5 アクティビティ実践

セッション6 ふりかえりとまとめ・個人的行動計画


以上がPLTファシリテーター養成研修のためのハンドブックの内容だということになります。

6時間研修を実践されるPLTファシリテーターの方も活用することができるハンドブックとして、まとめたいと思います。


『ESDファシリテーター・ハンドブック』の内容についてのアンケートは、今も続けています。ぜひ、ご協力ください!

以下のERICホームページからダウンロードできます。

http://www.eric-net.org




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by eric-blog | 2017-08-04 14:26 | ERICニュース | Comments(0)
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