自由と繁栄の弧

自由と繁栄の弧

麻生太郎、幻冬舎、2007

2852冊目


第一次安倍政権の時に麻生さんが外務大臣になった20051031日からのスピーチを中心にまとめた本。スピーチはもちろん、外務官僚との共作であり、外務省のホームページにも公開され、ニュースレターにも収録されたりしたものである。多少の修正はあるが、いずれも正本としてもらいたいと。


これで日本の外交の「価値の外交」としての大きな方向性が定まったというが、日米協議のことも書かれておらず、当時、辺野古に決まってよかったね、シャンシャン、では見るべきものもないのだが、靖国神社についてと、コミックについて、備忘録を起こしておきたい。


著者の主張 第7章 特別編・靖国神社

1. 靖国神社は国家のために命をかけた人と遺族の祈りの場、誇るべきもの、胸を張れないものも、死者にまつわるもの一切合財を含む、明治以来の記憶の集積。

2. 国家は、国家の名において連れ出して国家のために命を投げ出した人々に対し、最高の栄誉を持って祀らねばならない。

3. 現在の宗教法人である靖国神社に任せて民営するのではなく、これを護国神社52社と同時に解体し、設置法に基づく特殊法人とし、平和記念事業特別基金などによって財源を安定させる。


これは全く噴飯ものである。軍国主義そのもの。靖国神社に第二次世界大戦中に空襲で亡くなった方々は祀られていないし、軍人しか祀られていないこと。


そのことに関連していくつかの数字を参照しておく。


・靖国神社に祀られた2466000余のみたま。

・恩給受給者は1969年に283万人、2005年には121万人。

・戦争寡婦などで「公務扶助料」という遺族に対する給付を受けている人は、1982年当時154万人。2005年には15万人。

・公務扶助料とは恩給法に基づき、旧軍人または軍属で公務により負傷したり病気にかかって死亡した人の遺族に支給される。最低補償額(遺族加算を含む)1966800円。p.375


我が父も、いくばくかの恩給をもらい続けていたし、我が母は、父の死後、そのまたいくばくかをもらっている。そして言うのだ。「このような支払いがなくならない限り、日本の戦争責任は終わらない。」



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by eric-blog | 2017-08-01 15:54 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)
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