霊長類 消えゆく森の番人

霊長類 消えゆく森の番人

井田徹治、岩波新書、2017

2841冊目


霊長類

http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/topics/bunrui.html


小さなキツネザル類からローランドゴリラに至るまで、437種類についてIUCNが評価したところ266種に絶滅の恐れがあると。60%に上る。


生息地も地上から樹上、多様である。


いまや霊長類大絶滅時代を迎えているのだという。


生物相の上位にある哺乳類、その中でも霊長類は、植物相にも大きな影響を与えていることが研究の結果わかってきている。


だからこそ、この本のタイトルになるのだ。


多くは植物食、果実食であり、そのタネを広く運ぶ役割を果たしているという。


絶滅に至る理由は、狩猟、生息地の破壊など。

狩猟は、食料としてもある。もともと、近隣に住んでいる人々には霊長類を食べる習慣はないのだが、内戦などで人が移動して、ブッシュミートとして狩られてしまうのだという。39,84,124


ブッシュミートの方が栄養バランスが良く、貧しい人にとっては嬉しい食料源であるという現実もある。125


希少な種はペットとして取引もされている。


霊長類のいない世界は、その種の多様性が失われるだけではなく、その生息に関わる全ての環境が劣化した世界なのだ。


わたしたちにできることは、なんだろう? 


熱帯雨林の輸入大国であり、パームオイルを消費している。希土類が彼らの生息地で採掘されている。


消費者として、その事実を知り、彼らを脅かすことのない林業、鉱山業、取引などのルールを遵守することを求めること。そのような活動に対する日本の貢献はとても少ないと、著者は指摘する。


霊長類保全のための環境教育、保全と研究に取り組む研究者に対する資金提供など、欧米では動物園なども取り組んでいることだ。


京都大学霊長類研究所など、研究では世界のトップを走っている機関もある。しかし、保全の努力は少ないのだ。これはどういうことだろう?


ジェーン・グドール、ダイアン・フォッシーなどの名前を聞いた人も多いだろう。


井田さんをこの世界に導いたラッセル・ミッターマイヤーさんは、コンサーベーション・インターナショナルの会長である。

http://www.conservation.org/global/japan/news/Pages/Conservation-International-Leaders-Honored-IUCN.aspx


何が違うのだろうか? 彼我のこの違い。



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by eric-blog | 2017-07-17 16:53 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)
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