「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済

「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済

小川さやか、光文社新書、2016

2724冊目


Living for Today


タンザニアの例。


お金を貯めて店を始めたいのだと言っているのに、賃仕事を引き受けるばかりの女性とその連れ合い。店を出すというような長期的な展望に基づく投資は実はかえって彼らにとってリスキーなのだと。短期的な収入に繋がる行動の方がロスも少ないからだ。


などという事例を読んでいると、日本はなんてヘンテコな社会かと返って思えてくる。二世代三世代で投資するのだから。


彼らの戦略は、夫婦のどちらかが日銭、短期的リターンを得る労働をすることで、リスクを分散するというものだ。


そして、彼らが扱う服は中国から仕入れてくる。対面契約でなければ何も動かない世界。対面で確認しても、注文したものと異なるものが届いたり、届かなかったり。


知り合いのつてを使うことで、リスクをなるべく軽減しようとする。失敗しても大ごとにはならないような程度で投資する。


そういう短期的スモールスケール、柔軟、可変な経済が、零細露天商人によって営まれている。


資本主義のもう一つの顔。ではあるのだろうなあ。




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by eric-blog | 2017-03-15 08:27 | □週5プロジェクト16 | Comments(0)
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