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ERICnews550号 GS連載no.10 「対立から学ぼう」


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ERIC NEWS 550号 by ERIC ともによりよい質の教育をめざして  2017年7月16日

ESDファシリテーターズ・カレッジ! すべての学びを参加型で!

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                   (文責: かくた なおこ 角田尚子

                     http://ericweblog.exblog.jp/

twitter : kakuta09  FBもやってます。)


 7月10日、ERIC収活第一回資料室ミーティングを開催しました。基本的に飼料類を縮減していくのですが、英文資料については、7月29日午前10時から再度検討することといたしました。できれば、ERICがデータ化してる書誌情報からネット上での存否検索確認するプログラムがあればいいのになあと思っています。ご存知の方、お教えください。

 一方で、日本語書籍については、国内に保存されている可能性が高いため、ERICライブラリー・ネクストに所蔵したいもの以外については、寄贈、引き取り希望者募集の上、Book Offなどに古書販売することにいたしました。

 引き取りご希望で来所できる方は、資料室利用500円で何冊でもどうぞ!

 また、順次、棹ごとに情報を公開していきますので、一箱3000円のカンパで、箱単位で送ります。現在、データを準備中。F棹からK棹まで6分割でお知らせしていける予定です。

 大学などで一括して引き受けていただけるところにお心当たりのある方、早めにご連絡ください。


 今月末はERIC主催研修ESDファシリテーターズ・カレッジ テーマ「環境」です。7月29日30日です。ぜひ、ご参加ください。29日の資料室ミーティングは、主催研修開始の11時前の時間帯に行います。こちらにも是非ご参加ください。


 7月22日には、ERIC事務所にて佐藤宏幸さんの「プライベート・ワークショップ」が開かれます。関心のある方は、ERICまで。



◆◇◆目次◆◇◆


◆◇◆1. 連載「グローバル・セミナーをふりかえる~今と未来の教育のために」No.10

◆◇◆2. ファシリテーター・ハンドブック アンケート

◆◇◆3. ESDファシリテーターズ・カレッジ2017 のご案内

◆◇◆4. by ERIC 在庫処分2016!

◆◇◆5. with ERICこれまでの活動



◆◇◆1. 連載「グローバル・セミナーをふりかえる~今と未来の教育のために」No.10◆◇◆


この連載では、ERICが設立当初から10数年にわたって開催したグローバル・セミナーを紹介いたします。

(担当:鬼木たまみ)


◆◇第9回 グローバル・セミナー(1997.6.28-7.6)

・テーマ:対立から学ぼう-対立の解決トレーニング

  • 講師:ゼフリン・コンティ(ESR(社会的責任のための教育者の会)、"Conflict Resolution in the Middle School"制作メンバー/アメリカ)

阿木幸男(非暴力トレーナー)、

グループCAP、現代座(コミュニケーション・ラボ21)、ERICより各スタッフ

・会場:東京YMCA国際奉仕センター

・地域セミナー:(東京、神奈川、大阪3都府県、6回)

・翻訳出版:『対立から学ぼう-中等教育におけるカリキュラムと教え方』


第9回グローバル・セミナーは、東京YMCA国際奉仕センターの協力を得て、ERICの主催で行われました。


この回のセミナーは、1日目に対立から学ぶためのアクティビティを体験し、2日目にロールプレイや劇的手法を使いこなした対立解決の授業案や研修プログラムづくりを行うという構成になっています。


「対立を成長の機会を表しているものととらえるためには、態度と世界観の多大な転換が必要となる。生徒同様、おとなたちも対立に関する自分自身の態度を検証し変えようとする必要がある。この過程は時間も忍耐も要する。また、関係している教師たちへのサポートが必要となる。「応急処置」では教室における重大な行動変容は得られない」(セミナー資料「対立の解決 ESRのアプローチ」より)


「価値観が多様化する中で、私たちは異質なものと出会い、異質なものから学び、多様性をプラスにとらえる必要に迫られています。異質なものの間には対立があります。対立から学ぶことができるという信念、学ぼうという態度、そして解決のあり方を探る心構えが今の時代に生きる必須条件になっています。


今回のグローバル・セミナーでは対立解決の手法を学ぶことで、ともすれば「否定的」にとらえられてきた対立が、実は多様性、個性、信念のあらわれであることを理解し、そこから個人および社会が成長できる力にしていけることを願って企画をたてました」(開催趣旨より)


ERICでは、このグローバル・セミナーの翌年3月に「対立から学ぼう-短期集中基礎コース」として3日間の研修を実施、その後も継続して対立をテーマにした研修を重ねています。2000年には日本の文化的風土を考慮した対立の内在化などを扱うプログラムを盛り込んだ『対立は悪くない』を出版しました。


テキストのタイトルにこめられた「対立から学ぼう」「対立は悪くない」の思いを、20年前のセミナー開催時の願いを、21世紀を生きるみなさんはどのように受けとめられるでしょうか。



*第9回グローバル・セミナーのプログラム、関連新聞記事はこちらからご覧になれます。

http://eric-net.org/project/global_seminar/gs97_news.pdf


*当日資料「対立の解決」ESR(社会的責任のための教育者の会)

http://eric-net.org/project/global_seminar/gs97_handout.pdf


テキスト『対立から学ぼう』『対立は悪くない』の紹介はこちらからご覧になれます

http://eric-net.org/detail/CR-40.html

http://eric-net.org/text-old01.html


レッスンバンクに対立をテーマにした追加・発展教材をまとめています。ご参考、ご活用ください。

http://eric-net.org/news/LBsets.pdf


*テキスト、レッスンバンクのお申し込みはこちらからどうぞ。
なお、『対立は悪くない』は数年前に在庫がなくなってからはコピーにて提供していましたが、昨年の事務所内整理の際に提供できる冊子が僅かですが出てきました。ぜひ、この機会にお求めください。

http://eric-net.org/text-order.html




[追記: かくた]

 大学生の時からインターンをしてくれていたMさんが、コーディネタートして大活躍をしてくれたセミナーでした。その後、彼女は小学校の先生に就職。今も元気で頑張っていることと思います。

 前年のワシントンDCへの調査旅行で、色々な「Conflict Resolution」の考え方があることがわかりました。私たちは子どもの喧嘩やいじめと「対立」を捉えてしまいますが、教材として開発されているものでも、「国際的な軍事対立」について学ぶテキストなども出されていて、その幅の広さに驚きました。やはり、米国は何と言っても軍事大国であり、国民はそれを税金で負担し、そして市民は「インフォームドコンセント」情報を得た上で意思決定する権利があると言うことが、実践されているのだなと感じました。

 前々回はフォトランゲージ、前回はデータ、そして今回はロールプレイと、テーマと方法論の両面からの習熟を図ろうと、多様な人々にご協力を仰いで、ロールプレイの意味について様々な角度から考えました。

 特に、非暴力トレーニングの阿木幸男さんのロールプレイは、私自身がグリーンピースで環境保護運動に関わっていた時から何回かトレーニングを受けてきたものです。

 スキルが身につくには時間がかかる、それはできるようになるまで習熟するために時間がかかるというだけではなく、価値観と態度そのものが変わらなければ、付け焼き刃に終わってしまうからなのだと思います。様々な場面に応用できてこそ、身についたと言えるのだと思います。

 「対立は悪くない」どころか、「対立、よっしゃー」ぐらいにまで、自分自身も価値観が大きく成長したセミナーでした。



by eric-blog | 2017-07-15 17:14 | ERICニュース
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