ERICnews544号 GS連載『フード・ファースト・カリキュラム』

■□ 連載:グローバル・セミナーをふりかえる〜今と未来の教育のために No.5 (担当:鬼木たまみ) □■

この連載では、ERICが設立当初から10数年にわたって開催したグローバル・セミナーを紹介いたします。

◆◇第4回 グローバル・セミナー(1993.2.5-14)
・テーマ:食糧・フードファースト
・ 講師:ローリー・ルービン(公立小学校教員、“Food First Curriculum -An integrated curriculum for Grade 6” 著者/アメリカ)
中村尚司(龍谷大学)
池原正子(大阪市立生江小学校)
石井正(京都市立西京極小学校)
稲垣有一(大阪市立平野小学校)
藤原孝章(報徳学園中・高等学校)
吉田新一郎(ERIC)
( )内はいずれもセミナー開催時の勤務校、職場
・ 地域セミナー:東京、大阪、名古屋、福井、滋賀(5都府県)
・翻訳出版:『フード・ファースト・カリキュラム〜食べ物を通して世界をみつめよう』

第4回グローバル・セミナーは、日本ユネスコ協会連盟、日本国際理解教育学会、ERICの三団体が協力して開催しました。
この回は、海外からの講師だけでなく、国内で熱心に実践、活動をしている現場の教員のみなさんにも講師を依頼し、メインの2日間のセミナーを東京ではなく大阪で行いました。

「私たちの国で、地域で民族の対立が起らないためにも、多文化理解教育、グローバル教育を今からやっておく必要がある。今の視点が唯一の視点ではないということを、小さい時から理解させる必要がある。
日本でもグローバル教育が重視されるようになったと聞くが、急激な変化の中で、どういう手法で子どもたちに教えるのかを問い直す時にきている。子どもたちは未来だといわれるが、それに教師が何を提供するかが問われる。だから私は“食糧カリキュラム”を書いた。
多文化理解・国際理解教育は、指導者の研修に尽きる。先生の意識が変わり、手法が身につく展開の仕組みをつくることが大切だ」
(ローリー・ルービン氏の講演「カリキュラムづくりの楽しさ、難しさ」より)

「飢えの根本原因を理解することは、人々から活気を奪い硬直させるため避けるべき話題ではなく、人々を、自分自身を変え、身の回りの世界を変える力に目覚めさせる可能性を秘めた利器であることを私たちは知りました。このような願いをこめて、ここにこのカリキュラムのガイドを贈ります」
(テキスト『フード・ファースト・カリキュラム』の「緒言」より。食糧および開発政策研究所の設立者、フランシス・ムーア・ラッペ氏)

テキストは出版から年月が経っているため、データや資料の古さは否めませんが、食糧をはじめ、飢えや人口問題、エネルギー問題、福祉・社会問題など、多岐に渡るテーマを盛りこんだ、願いがこめられた一冊です。
ぜひ、再読、ご一読ください。

*第4回グローバル・セミナーのプログラム、紹介記事はこちらからご覧になれます
http://eric-net.org/project/global_seminar/gs93_news.pdf

*テキスト『フード・ファースト・カリキュラム』を紹介したERIC NEWSアーカイブはこちらからご覧になれます
http://ericnews.exblog.jp/5798047/

*テキストのご注文はこちらからどうぞ。
http://eric-net.org/text-order.html

※追記(かくた)
このテキストが、ローリー・ルビンさんの博士論文として書かれたことに、驚きました。わたし自身、総合学習「米」などのプログラムおよび教材開発を大学院でやっていて、それが大好きでしたが、それだけでは論文にならないからと、総合学習の背景のようなものを論じました。が、あれはいまだに「ためにする」だけの労力だったと思います。
ローリーさんも、米国でもレアケースだとは言ってましたが。
その後も、わたしの学会や研究に対するシニカルさは、変わらないままですね。
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by eric-blog | 2017-07-13 11:11 | ERICニュース | Comments(0)
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