財政から読みとく日本社会  君たちの未来のために

財政から読みとく日本社会  君たちの未来のために

井手英策、岩波ジュニア新書、2017

2833冊目


この前読んだ本より、絶対に分かりやすかった。


分断社会を終わらせる 「だれもが受益者」という財政戦略

井手英策、古市将人、宮崎雅人、筑摩書房、2016 

http://ericweblog.exblog.jp/23137362/


歴史的に「シーリング」「総量規制」で考えることになった経緯が解説されていて、それを変える大変さが、伝わる。しかし、それを踏まえてもなお、若い次の世代は、財政をどうするかを考えなければならないと、エールを送る。


著者である井手さんは、学者でありながら、覚悟を決めて社会に発信し、動いている人。本当にすごい。


経済は互酬と再分配で成り立っていた。3


人が地域共同体であるコミュニティを離れて都市に移り住んで、貨幣労働を始めた時、仕事を失った人はたちまち貧民に。4


戦争が続いたために軍隊が必要になった。必要が財政を誕生させた。

財政とは公共の経済のこと。みんなが必要だと思うものを満たすもの。


特徴1 小さくて信用されない政府

一般政府は、中央政府、地方政府、社会保障基金からできている。9

この支出のGDPに占める割合と、労働力人口に占める公務員の割合で、政府の大きさがわかる。9


日本は公務員人口が10%以下で少ない。OECD平均で20%、多いところは30%を超えている。10


世界では78%なんて国もある! 雇われていないのは誰なんだろう?

http://tmaita77.blogspot.jp/2016/02/blog-post_28.html


しかし、公式的な数字に、行政法人、公益法人で働いている人が含まれているかどうか、準公務員と言える外郭団体とか。さらにはパートや非常勤はどうなっているのか? 疑問があると指摘するこのブログでも、12%程度ととしている。

https://plaza.rakuten.co.jp/basala/diary/201203070000/



疑問1 なぜ小さな政府を作ってきたのか?


特徴2 社会保障の偏り

社会支出は平均並みだが、高齢者への支出が大きい。13



特徴3 公共投資が大好き

オイルショック以降、先進国では景気高揚のために公共投資を増やした。が、その後景気の持ち直しとともに減らしたのに、日本はそのままさらなる公共投資へ。結果、巨大な財政赤字に。15

バブル崩壊後、長い停滞に。

1990年代後半には他の先進国並みになるが、リーマンショックと311で再び増大。


特徴4 農業人口は多い

特徴5 教育とへの投資が少ない

特徴6 税金は安いのに痛税感は強い。

特徴7 融通がきかない予算  シーリング重視で「何が必要か」を議論しない。


第二章では「総額に気を使う予算」の成り立ちが説明されています。1979年の大蔵省幹部長岡実さんが「伸び率ゼロ」を。「みんなでやれば、納得する」53


3章 少しずつ貧しくなっている日本。

社会保障が高齢者に偏る中、若い世代の収入は減っている。将来への不安。

貯蓄率の低下、


 第4章 公共投資の増加と農業経営の効率化が同時並行。地方に人口を留めた。1970年代に与党支持が7割まで増大。族議員が誕生、コミュニティが支える小さな政府の形。コミュニティ間の対立。利益配分の調整としての議員。


経済成長、勤労国家という前提が崩れている。

みんなの利益を考える社会が求められている。


君たちが考えるんだよ、と語りかけているが、それは簡単なことではないな。





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by eric-blog | 2017-07-07 11:38 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)
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