国のために死ぬのはすばらしい? イスラエルからきたユダヤ人家具作家の平和論
ダニー・ネフセタイ、高文研、2016
2830冊目
実は、ダニーと出会ったのは電車の中。彼の被っている帽子があまり素晴らしかったので、話しかけて、それを作ったのがお連れ合いだと聞き、木工工房をやっていると知り、それ以来Facebook友達になった。
最近の彼の講演会活動は目覚しいものがある。
その講演内容をまとめたのがこの本だ。
彼のイスラエルにおける生い立ち、軍隊経験、イスラエルという国では「国のために戦う」ということが教育や社会を通じてどのように刷り込まれていくか。
日本でも、自衛隊の体験入隊や出前授業、銃刀剣が体育の授業に取り入れられるなどの動きがあり、そして、それに対する反対運動が繰り返されている。しかし、自衛隊の海外派遣や改憲の動きと合間って、「自衛隊もあくじゃないし、公務員だし、いいんじゃないの、目くじら立てなくて」という雰囲気も感じる。
しかし、この本を読むと、「国のために戦うことはすばらしい」という刷り込みは、思考停止に陥る危険があることを再認識させられる。
著者の家族は、アウシュヴィッツを生き延びてドイツからイスラエルに移民したユダヤ人。
日本はイスラエルと兵器開発で協力することを約束したが、日本の防衛予算は軍事国家イスラエルの2.5倍もある。188億ドル/498億ドル。
いつの間にか、日本の防衛予算は国家予算の12%にもなっている。158
兵器開発は特に無人機で、だ。
イスラエルは軍事についてドイツからも協力を引き出している。
「ドイツとイスラエルの関係は普通であってはいけない」在独イスラエル大使、2015年6月25日
ドイツには永遠に謝罪する立場でいて欲しいのだ。
戦争という手段を絶対に放棄しないイスラエル人 168
ダニーさんがそのあり方に疑問を感じたのが2008年のガザ侵攻だ。そして、日本国内でイスラエルについて講演を始めるようになった。
そして、今、日本の「帰還不能点」についても語っている。