憲法が危ない!

憲法が危ない!

鈴木邦男、祥伝社新書、2017

2828冊目


一水会設立者の一人。日本会議の母体ともなった「生長の家」学生会の書記長としても活躍。右翼として憲法改正運動に長く関わってきたが、その視点から見て、今の「憲法改正」の動きの危うさを指摘している。


現在、生長の家は日本会議に入った元メンバーを教条主義者だと批判している。36 ことは言っておかないとね。


「自由のない自主憲法より
自由のある押し付け憲法のほうがまだいい」

http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784396114992


いまのネトウヨのおかしさを例えば、

従軍慰安婦の問題について朝日新聞の記者として書いた植村隆さんに対して、攻撃した例を挙げる。


「甚だして人権侵害だが、・・・「オレたちは国のために国賊を伊勢バイしているのだ」と。  24


愛国心が犯罪の動機づけになっている。あるいは正当化の言い訳に使われる。

しかも「日本の公安警察は自称愛国者たちを左翼つぶしのために巧妙に使嗾した節がある。」25


教育基本法にも入れられたが、愛国心を国家が声高にいうと危うい。憲法に入れるなんてもってのほか。  27


評価されるようになってしまう。


愛国心のあるなしで人を攻撃する行為には、人に対する愛がない。28


国民があって、憲法がある。


日の丸は徳川政府軍の軍旗だった。官軍は錦の御旗。38


君が代は平和の歌。39


士気が上がるような歌ではない。試合前には歌いたくない。


小林節さんも憲法に愛国心を入れることに反対。49


靖国神社近くでは、思い上がった愛国者たちが、自分たちの行動を邪魔するやつらは非国民だと言わんばかりの行動を展開する。キモいなあ。


第二章では、憲法が戦争しないという目的のために作られたものであり、それを否定することは、憲法の精神そのものを否定することになる。自衛隊は、軍隊としての進化系なのだから、戻すことはない。

「世界から核兵器をなくす、戦争をなくす、そのために私たちは捨て石になる」ぐらいの覚悟で憲法で宣言しようじゃないか。76


3章では、「家族、家庭」「道徳」まで憲法に入れるな!

いまの天皇に対する政権の態度は無礼極まりない! 憲法でコントロールするなんて。


思想信条の自由が認められている国であり続ける方が、ずっといい。102


憲法に期待しすぎないこと。


愛国者達のおごりが生まれる。異議を唱えることが難しくなる。


寛容性のない社会にしてはならない。191


新しい時代のための憲法をという気概もない。つまらんね。


と、憲法改正に情熱を燃やしていた青年は、長年の熟考から、今は憲法改正ありきでことをすすめるべきではないと、言う。



書評

http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784396114992


一水会設立者の一人。最近では脱原発などでもよく発言をしていて、一般的な右左の範疇には収まらない思想家である。学生時代は、日本会議の母体ともなった「生長の家」学生会の書記長としても活躍。右翼として憲法改正運動に長く関わってきたが、その視点から見て、今の「憲法改正」の動きの危うさを指摘する。

危うさのポイントは一つだけ。

「自由」のない国なんて、意味ないだろう?と言うことだ。自分たちが「改憲運動」をしてこれたのも、国民の「自由」があるからだ。しかし、いまの改憲は愛国心や家族の規範、道徳を憲法で規定しようとしている。

憲法というお墨付きを得て愛国者達は驕るだろう。いま、まさに靖国神社の前で起こっていることが、全国で起こるようになる。愛国心を邪魔する奴は非国民だと攻撃するのだ。そこには議論はない。

著者は言う。

いまの憲法は戦争しないと言う目的のために作られた。「世界から核兵器をなくす、戦争をなくす、そのために私たちは捨て石になる」ぐらいの覚悟で、新しい時代の憲法で宣言しようではないかと。昔に戻りたいだけの改正に何の意味があるのかと。

さすが、右翼。日本国民としての覚悟と矜持がある。そして、それは憲法で、法律で、ちょっとした文言の言葉で涵養されるようなものではないのだ。

人生をかけて問うてきた人の覚悟と矜持が、法律の文言一つで国民全員に身につくのであれば、それはあまりにも人を馬鹿にした話であるよね。


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by eric-blog | 2017-06-28 11:07 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)
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