死体格差 解剖台の上の「声なき声」より

死体格差 解剖台の上の「声なき声」より

西尾元、双葉社、2017

2827冊目


法医学で行う解剖は四種類。

1. 司法解剖

2. 調査法解剖

3. 監察医解剖

4. 承諾解剖

4の承諾解剖以外は、法的根拠に基づく解剖で、遺族の承諾を必要としない。29


解剖医として20年間勤めてきた著者が見てきた「望ましくない死」から見える日本社会。それがこの本に描かれているものだ。


1章 貧困の死体

カップラーメンばかり食べ続けて肝硬変になっていた死体。

借金取りから逃れるためか床下に隠れていて凍死してしまった死体。

アルコール依存。

路上生活者、独居者。


法医学教室で手がけた20161-8月の症例117例中25例、21.1%が生活保護受給者。生活保護率が1.71%であるのに、だ。19


自殺者が借金を抱えていたと言うことはよくあるが、その金額は500万円程度なのだと言う。39


第二章 孤独の死体

熱中症、脳溢血など、周りに人がいれば、病院に行けば助かっているケースがよくある。


死体は緑色に変わっていく。

死体の匂いは消せない。


精神疾患と事件の距離

「他殺」被害者の23.5%が精神疾患。その加害者の8割以上が親族。62


3章 老いの死体


老老介護の中、認知症の連れ合いに気づかれることなく、亡くなっている死体。

入浴介護中に、溺れ死んでしまったケース。

認知症による徘徊での凍死。



4章 死後の格差

まずは、解剖されるかどうかに地域格差がある。法医学認定医は全国で150人程度。

薬物中毒は、それを疑って解剖しないと見つけにくい。


薬のPTP包装を飲み込んでしまい、それによって傷ついた内臓の感染症?!

などもあるらしい。


司法解剖を大学の法医学教室が行うことの意味は大きいと著者は言う。警察との馴れ合いが起こらないからだ。


死を見つめることが生に貢献している。



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by eric-blog | 2017-06-25 13:37 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)
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