経済の時代の終焉
井出英策、岩波書店、2015
2805冊目
『わたしの貧困物語』に登場しつつ、ここに登場していいのかどうか、貧困の記憶のない自分自身として疑問を呈しつつ、しかし、マイノリティ、弱い立場の人に対する共感はあると自負されていた。
このロングインタビューでも、自身の病気の体験から、「運」なのだという。
http://www.tokyo-np.co.jp/senkyo/kokusei201607/ren/CK2016070802100023.html
だからこそ、すべての人が受益者になる経済をと訴える。
自民党の財政運営は、限定性、文男性。
民主党の「こども手当」や「高校授業料無償化」は、親の所得政権を設けない、「人間の利益」を目指した制度設計だった。220
しかし、あっけなく挫折。
「成長神話の終着点としての右傾化」というのは本当によくわかる。
経済に従属する政策群が「アベノミクス」である。
財政が目指すべき再分配機能を弱体化させた。結果として社会の不安定化。
教育の機会の不平等化。
新自由主義と右傾化した教育改革。
統合の危機を教育の右傾化で乗り越える。保守化による統合の企て。223
成長神話から脱却し、経済をコントロールする政治を実現する。
人間の顔をした経済。
選別主義から普遍主義へ。
租税への抵抗を緩和する三条件。228
・他者が自分と同じように正しく税を納めている。
・集めた税を政府が正しく使っている。
・前の世代の人々が適切な判断のもとに借金を行なっている。
人間が人間を信頼する状態。
人間のために、学問がある。そんなことを井出さんの話を読んでいると、思うなあ。
https://ameblo.jp/eisku-ide/