仮設にて

仮設にて
藤島昌治、遊行社、2014
2716冊目

菊池和子さんの写真展及びトークショーが池袋の「床屋ギャラリー」という元理容室というスペースであった。
https://www.facebook.com/events/1592598421026172/

ポルトガルなど多様な被写体やテーマを追ってきた写真家である菊池さんが、福島原発被災者及び避難地域の取材のきっかけをつくってくれた仮設住宅の自治会長さん。
二人とも1945年、中国生まれという共通点がある。

菊池さんの写真もそうだが、藤島さんの詩も、素直である。諧謔もなければ、自虐もない。攻撃もなければ、高揚感もない。淡々と描かれる喪失と現実。

元気でいくんだぞ、と自分に対するエールに、涙が落ちる。

風邪にはネギたっぷりにちょいと醤油を垂らした暖かいたっぷりお湯。
ボランティアが訪ねてきてはハーブティにクッキー。
姉が持ってきてくれる母の味そのままの弁当。

こんなところで一人暮らしのじいさんのところにやさしさが列をなしてやってくる。 「やさしさ が」108

耐えている
振り上げた拳を
どこへ向けたらいいのか

そして言う。

返してください。
御自分自身の非を悔いて、
全ての避難者に
時間を返してください。

2014年から通い始めたという菊池さんの写真には、避難措置解除地域の現状が映し出されている。カメラの前では決して高ぶらない、泣かないフクシマの人々。

避難生活で、もう一度三世代同居をしようとは言わない家族。
避難生活で、子供達が巣立って、家族がバラバラになっている母。

幸せな家族は似通っているが、フクシマの家族の顔は多様だ。
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by eric-blog | 2017-03-06 13:18 | □週5プロジェクト16 | Comments(0)
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