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ERIC NEWS 520号 ともによりよい質の教育をめざして  2016年12月18日

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ERIC NEWS 520号 ともによりよい質の教育をめざして  2016年12月18日
ESDファシリテーターズ・カレッジ! すべての学びを参加型で!
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                   (文責: かくた なおこ 角田尚子
                     http://ericweblog.exblog.jp/
twitter : kakuta09  FBもやってます。)

ERICnewsも残すところ12月25日のツリーニュースだけとなりました。
新年は1月1日、いつもほっこりした話題を提供してくれる佐藤さんが担当です。楽しみですね。

12月17日(土曜)には、佐藤宏幸さんプレゼンツ「プライベート・ワークショップ」が開催されます。多分、10時くらいから、午後3時とか4時くらいまで。フィリピン支援に取り組んでいるMさんの帰国話も聞けそうです! ここから何か始められればいいなあ。

報告、待ってまーーす!

わたし自身は水俣で開催される「公害資料館フォーラム」に参加している予定。
熊本の被災地を訪ねる、何てことも考えいたのですが、移動だけで大変なので、あまり欲張らない。
温順しくフォーラムに参加して、学んできたいと思います。

とこう書いて、予約までしたのに、なんと空港を間違えて、搭乗時間に間に合わずキャンセルすることに。
格安航空券だったので変更するにもキャンセルするにも早朝には連絡がつかず、・・・泣く泣く参加を諦めました。
当日券で飛ぶ手もあったか?
でも何か月も前から予約して楽しみにしていたので、ショックの大きさは計り知れない。自分のあほさを呪っています。

第四回公害資料館フォーラムをなぜそんなに楽しみにしていたか。newsに吐き出すことででリベンジ!

それは全国自然保護大会という活動にさかのぼります。
http://www006.upp.so-net.ne.jp/junc/syokai.html#ayumi

1970年代から90年代にかけて活発に活動していた団体であり、全国の公害反対運動の連合体でした。

大会には必ず公害の現場へのフィールドワークがついており、播磨灘、石垣島など、熱心な参加者とは言えない私にとって、
とても貴重な体験でした。全大会や分科会などよりも、現地見学会の方が豊かな学びだったように思います。

今回は金曜日に予定があったので、現地見学なしの参加を予定していましたが、
いまこうして書いてみると、万難を排して、そちらを優先すべきだったなと改めて思います。

フィールドワークの面白さは、「ブラタモリ公害版」というか、「市民運動版」の味わいだと言えば、わかってもらえるでしょうか?

例えば公民館での交流会で、そこの公民館でどのような会合が持たれてきたか、そしてその雰囲気が会の運営の中にも見えてくる。

例えば視線の先に石油備蓄タンクが並び、なんでもないその風景が、景観を守り環境や生態系を守ろうとしてきた人々の目にはまったく違う見え方がしていること。

例えば埋め立てられた工場地帯と居並ぶ煙突。わたしの小学校時代の社会科の教科書には「コンビナート」とか「〇〇工業地帯」
なんて、テストに出るような名前として、うやうやしく覚えなければならなかった写真と同じもの。が、どれほど瀬戸内海の自然を
蚕食してきたものか。

例えば、屋敷囲いが石垣からコンクリートになることで「穴」がなくなり、ハブが来なくてよかったのか、それとも生物多様性が減じたのか。

石や岩を見るタモリさんの目がまったく異なるものをみていることに気づくような驚きがあるのです。そして、すべては歴史、時間と環境、人間の営為の複合的な積み重ねであるのです。

その物語を生きてきた人の語り、ストーリーに触れること、ライフストーリーのヒヤリングも同時にしていること。

公害反対運動は、「地域利害型組織」と地域の団体・組織を分類するときには呼ばれます。
地球環境問題や環境保護運動をする団体・組織と同様、「テーマ型」ではあるのですが、
ステイクホルダー(利害関係者)が地域に限定されるため、組織としては特定の地域住民が中心になるのです。

今回、集まる公害資料館の関係者というのは、そのような公害反対運動の結果として設立され、
そのミッションは運動の歴史を伝えることにあります。
当事者、被害者の思いに触れ、またわたしたちの社会全体がどのように公害という産業社会の負の側面を克服してきたかを学び合う場でもあるでしょう。

地域利害型組織に、同じ地域でも関わらなかった人ももちろんいます。大多数がそうでしょう。
しかし、かかわった人は地球環境問題などに関わっている人よりも、「濃い」体験や学びがあるのです。
その濃さは、その地域の環境と一体的な学びだからなのです。

国際理解教育というような、地球規模の共通の課題があるよということを伝え続けてきたわたしとしては、
その人生にジェラシーを感じるような濃さなのです。

それは、人権問題についての当事者にも共通しているかもしれません。

公害は克服されたのか? YesでもありNoでもあるでしょう。

産業の負の側面を技術解で克服してきたという面ではYes.
しかし、産業科学技術社会の足腰を強くしただけという面ではNo.だと思います。

運動の中に、問い直しのこころはあったと思います。しかし、直面する「負」が
消えたとき、根本的な問いは忘れられたのではないでしょうか?

公害資料館に集っている人々は公害をどのような枠組みでとらえるのか?果たして、公害反対運動の担い手たちや当事者たちと、地球環境問題やESDの関係者は出会えるのか?

わあーーーい!

参加したかったよううう(><);;;;;

書いたら収まるかと思ったけれど、だめじゃん!

まだまだ語れるよぉぉぉぉ!

以下は元の原稿、そのまま「イキ」、です。

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「いまも、まだ揺れが続いている熊本地方ではありますが、被災された方が暖かく、
希望を持って、クリスマス・新年を迎えることができますようにお祈りいたします。」

みなさま本当に暖かくお過ごしください。
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心の風邪など、ひかれませんように。ぐす。

でも、パニックして連絡しまくったみなさま、温かいお言葉、ありがとうございました!
大事ですね、ショックやダウンした時の温かいコミュニケーション。改めて感謝。



◆◇◆目次◆◇◆

◆◇◆1. ひろ佐藤さんプライベート・ワークショップ:「事実質問」やってみた!
◆◇◆2. ERICのテキストから「組織マネジメント」を考えるプログラムを作る
◆◇◆3. ESDファシリテーターズ・カレッジ2017 のご案内
◆◇◆4. by ERIC 在庫処分2016!
◆◇◆5. with ERICこれまでの活動

◆◇◆1. ひろ佐藤さんプライベート・ワークショップ:「事実質問」やってみた! ◆◇◆

ひろ佐藤プレゼンツ! プライベート・ワークショップ  20161217  10:00-16:30 の長丁場で行いました。
参加者:5名

やれたことは、五つ星!!!!

1. 事実質問で自己紹介
2. 10分間鬼速PDCA
3. ティラナク織の体験講座プログラム検討会 念願の!
4. 子育て支援講座のプログラム検討「子連れ勤務是否論争を卒業する」
5. 今後の予定、協力できること

詳しい説明はひろさんに任せるとして、今回は「事実質問」についてムラノミライで学習者としてスタッフとしてじっくり学習を積んだJさんから学んだことを中心に報告したいと思います。念願の!ティナラク織、そして「目から鱗」のno.4については言いたいことがありすぎるので、またの機会に。

■「事実質問」Fact Questionとは?

「なぜ」を問わないというのは、ムラノミライの方法論を確立した和田・中田コンビの問題提起として、衝撃的だったのではないだろうか?

しかし、わたしとしては、本を読んでも、いまいちだった。
http://ericweblog.exblog.jp/21373008/
和田さんの職人芸を中田さんが文字起こししたというこのテキスト。羅列的で、非構造的で、あああ、職人芸だなあとは思いこそすれ、
「なるほど」には程遠い存在だった。

少なくとも、「なぜなぜなぜの三段階連想図」や「行動感情価値観を掘り下げる」というワークを指導者育成で
ESD的価値観を育てるためによく取り入れているわたしにとっては「????」だらけ。

しかし、今回Jさんの介入的指導を受けながら、実践してみて、そのおもしろさに目覚めました! 

インタビューというより、「村民環視の中、責任者や担当者、そして村民自身に対して事実質問によって問題点を一人ひとりが気づく」仕掛けなんだなあということでした。

「なぜ」を問うのは、とても個人主義的なことなのだということ、そして、村のプロジェクトは個人事業ではないということ。「共有知」の構築方法として、「事実質問」は、即物的で現時的、行動的で身体的な学び合いと育ち合いのツールになるということです。

面白い! やってみなきゃあわからない。

今回学んだポイントは、以下のことです。3点目については実践していません。でも、やってみたいなあ。
質問を重ねていった時の「分岐点」に気づいていること。
質問による掘り下げが行き止まったら「分岐点」まで戻って、別の道筋も探れること。
質問を「知りたいこと」や「共有したいこと」によって構造化しておくこと。

ORIDなどとの比較もしっかりできたし、学びに感謝! ということで、捨てる神あれば拾う神ありの1日でした!

◆◇◆2. ERICのテキストから「組織マネジメント」を考えるプログラムを作る◆◇◆

あらゆる機会に、あらゆる人とESD!

を合言葉に、さまざまなプログラム開発に取り組んでいけるのがERICの強みです。
環境、人権を持続可能性の両輪に、全ての組織が「学び続ける組織」となるようにマネジメントする力をつけられればと思います。

プログラムでは、行政を想定しています。行政がSDを志向し続けることはとても大切だと思っています。

セッション1 過去から未来を展望する:組織のビジョンの共有
ねらい: 組織のビジョンが共有されているかどうかをチェックする。

1. 講義から学んだこと、今日の期待
2. 「組織マネジメント」「人間関係マネジメント」「トラブル・マネジメント」
3. 行政の機能「基盤系vsビジョン系」「ハードvsソフト」別組織倫理の違い

セッション2 学び続ける組織の五原則による点検と改善
ねらい: ビジョンの共有は、「学び続ける組織」の五原則の一つ。自分たちの組織を学び続ける組織の原則から点検してみよう!

1. 五原則「チーム学習」「自己習熟」「ビジョン」「システム思考」「組織イメージの変革」: できていること・課題
2. 長期的・中期的・短期的ビジョンと共有を実践につなげる
3. 省察的実践家Reflective Practitionerを目指して

セッション3 自己習熟と内発的動機づけの現状と課題:「やる気」
ねらい: 組織は人です。一人ひとりがSDに向けての動機づけを持って取り組むことは、組織全体の方向性を大きく左右します。一人ひとりの動機や達成したいことは何か、コーチングする方法を学びます。
1. 内発的動機づけと外発的動機づけ: タイプと報奨
2. 「やる気」を引き出す環境づくり
3. 「わたし」「あなた」「みんな」の力を伸ばす

セッション4 トラブルシューティング:個別化対応のための手立て
ねらい: 組織にトラブルはつきもの。その原因が組織体制にあるのか、人間関係にあるのか、個人的な課題であるのかを分析し、個別化対応の「合理的配慮」の許容範囲を共有します。多様性を包含するということは、一人ひとりのニーズに応えること。それは「公平」ではなく、「公正」に行われているでしょうか?

1. それでも「トラブル」は起こる: 誰のせいでもない。でも、解決が必要
2. 特別なニーズを把握する: 公正さEquityについての理解を共有する
3. 分析的思考ツールを使いこなす

分析は力なり。

実施するアクティビティやワークシートなどを入れた資料集を現在作成中。お問い合わせください。

組織として、分析力、省察的実践力を高めることは、より良いパフォーマンスにも繋がるのではないでしょうか?

なんていいながら、ERIC設立から28年を迎えて、終活中。偉そうなことは言えませんね。

「学び続ける組織」が示すように、「自己イメージの変革」が永続する組織には必要ですね。自分たちがNPOとして、どのような社会サービスを提供するかについて、常に、社会的ニーズに答えつつ、変化していくこと。

とは言え、ESDにとって指導者育成は大事な一翼であることをずっと言い続けていくことも、また、大事なことです。

カレッジ=二年間の専門コースを実現したいものですね。

by eric-blog | 2016-12-18 10:50 | ERICニュース
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