人気ブログランキング | 話題のタグを見る

こうすれば「いじめ」はなくなる−いじめ社会の子どもたち

105-1(492) こうすれば「いじめ」はなくなる−いじめ社会の子どもたち
ひろさちや、藤本保、清流出版、1995

10年も前の本ですが、「学校が子どもたちをいじめている」「近代化による人間関係
の変化」など、日本社会が構造的に抱えている問題を提起しているところが目につい
たので、購入してしまいました。すでに、資料室にあるかもね。

ジュンク堂書店では、いま中村元さんコーナーもつくっていたり、この本の著者であ
るひろさちやさんも仏教思想家としてたくさんの本を出していたりするのですが、本
当に、人間が生きるということの価値と一人ひとりの自覚が求められている時代だな
と感じます。この本も、わたしたちの社会や時代が抱える病理を指摘していますし、
まだ読んでいませんが、週5プロジェクトでもよく紹介している正高信男さんが書か
れた『考えない人−ケータイ依存で退化した日本人』などが指摘されています。

一方で、同時に教育関係のコーナーに行くと、基礎学力を伸ばすなど、このような議
論からはまったく逃げている、小手先、場当たり的なカンフル注射が花盛りです。確
かに、一人ひとりの先生方はよくがんばっているし、努力されているし、忙しい。だ
からその場限りでもいいから「効力感」が得られる努力をしたい、という気持ちはわ
かります。しかし、いま、教育の現場は長い目で見て、一人ひとりの子どもたちを伸
ばすために、いまできることは何か、教育が示すべき根本的な姿勢は何かを、一瞬一
瞬、努力するしかないのです。

いま、わたしは英語会話を大学生に教えています。中学校からの6年間の学びは「学
習からの逃避」と名づけたくなるような傾向です。幸い、後期は少人数クラスなので、
前期のような力技、パソコン技術と英文入力の量で勝負、という方法ではなく、対話
が成立する環境です。彼らの脳内に形成された学習に対する防御幕を剥ぎ取りた
い!!!

と、グチを言ってしまいますが、わたしは大学生たちの元気が大好きなので、どうす
れば、伸びる学習の場づくりができるか、いっしょに考えたいと思います。

この本で指摘されているいじめの構造は以下のようなものです。(引用のページは省
略)
・競争社会
・達成感のない「平均値」を上回る、という目標設定
・組織優先
・集団主義
・異質なものの排除−同質化の圧力
・平等幻想
・超長期的多角決済が成立しない近代社会と日本型正義の葛藤
・成績至上主義の学校

なんでこうなっちゃうのか、真剣に考えるべき問題なんだろうにね。「こうすれば」
というような簡単なハウツウ本ではないことは確かです。

   >(+++++++メルマガの心がけ+++++++++)<

  ・定期的に送れていますか
  ・読者との関係が見えますか
  ・ERICのことが知りたくなりますか
  ・見やすいレイアウトはできていますか
  ・見出しは内容に応じて工夫されていますか
  ・文章は親しみやすく、簡潔になっていますか
  ・より詳しい情報にすぐにアクセスできるようになっていますか

  m(..)m--v(^ ^)v--m(..)m--m(..)m--m(..)m--y(^ ^)y--m(..)m
by eric-blog | 2005-10-18 15:11 | ■週5プロジェクト05
<< ERIC資料室 文明の衝突 >>