科学者が読み解く日本建国史 古事記・日本書紀の真意に迫る
中田力、PHP新書、2014
2625冊目
『日本古代史を科学する』の続編ということなので、そちらも読んだほうがいいのだが、地球規模での人々の移動を遺伝子を追跡することで解明する。Y遺伝子による方法。
基本的に「それぞれの両親から受け取る遺伝情報を50%ずつとして単純計算すると、10代後の子孫が自分の遺伝情報を受け継いでいる率は0.1%以下で、ほとんどゼロに近いことがわかる。」90
この複雑系がヒトという種の生き延びの鍵だ。
ハプロタイプでいうと、日本はOとNにDが入っている。
その後から入ったD2が約40%を占める分布から考えて、「後着民族による先住民族への制圧、支配ではなく、共存によって成り立った可能性が高い」102
後着民族は、攻撃側の人々であり、非常に有利な戦いを計画することができる。
しかし、縄文、弥生の間にそれはない。
誇るべき文化である。103
分業共同体という文化
必要悪である国家
「皇帝は龍である。しかし、皇帝を生み出す母は鯉である。
武徳(神武)は龍にあり、文徳(聖文)は鯉にある。
記紀には徳に治められた国への思いが込められている。」185
日本は女神を掲げた国家である。
調和を大切にする優しさの文化
そうなんだあ。鯉にはそんな象徴があったんだああ。
五月の節句の鯉のぼりは、深いね。
近代の聖文である「日本国憲法」。その成り立ちからして、この本に書かれた「後着」の文化との融合であろう。いいんでないの、それを1000年守ったとしても。
頑張ろう! 千年聖文。