PLT『木と学ぼう』日本事務局ニュース 20160830

■□ 主催研修「PLT/環境」に参加された山口雪子さんからのメッセージ ■

7月末に開催したERIC主催研修「PLT/環境」では、視覚に障害がありながらも岡山で活躍されている山口雪子さんを招いて、「特別なニーズのある学習者への個別化教授法」について検討しました。
記録は以下をごらんになってください。
http://www.eric-net.org/news/ESDfcPLT2016.pdf
私自身は、二日目の「プログラムづくり」のセッションで山口さんとペアになって、特別なニーズを持つ人のためにPLTのアクティビティにどのような「調整」が必要なのか検討してみました。
すべてのアクティビティを見直す時間の余裕がありませんでしたが、「ものの形」「木に触れよう」「まわりの音」など感覚からせまるくアクティビティについては、ペアになれば視覚に障害がある参加者がいたとしてもOK!という感触を得ることができました。他の特別なニーズではどうなのでしょうか、見直してみたいと思いました。

このニュース用に、山口さんに感想やメッセージを寄せていただきましたので、以下に紹介します。(原文ママ;ただし改行は編集部)

【山口雪子さんからのメッセージ】

1)参加しての感想
 PLTの主催研修は初めてでしたし、メールのやりとりはあっても角田(つのだ)さんも角田(かくた)さんも今までお会いしたことがなかったので…会場に到着するまではちょっとドキドキでした。
でも「案ずるより産むが易し」ですね、日曜だけの部分参加でしたのに皆さんに助けていただいて、すぐに講座の雰囲気に溶け込めたと思います。
 前日(土曜日)にどんな学びがあったかと思うか…というペアでの振り返りが最初にあったのが良かったです。日曜参加の私が全体の流れを自然に把握できたように思います。また、ニーズの異なる参加者へのアクティビティの工夫を考えるグループワークも、それぞれのグループの考えや留意がしっかり表現されていて良かったです。
 1日だけのあっという間の講座でしたが、こんな具合で私はしっかり講座を楽しませていただきました。
 参加された方々、本当にお世話になりました…ありがとうございました!

2)特別なニーズをもっている参加者に開かれた環境教育の活動を増やすために、環境教育指導者ができること
 私は視覚障害です。ある意味、とてもわかりやすい障害です…きっと、本当は支援が必要なのに気づいてもらいにくくて苦労している人がいるんじゃないかって、わかりやすい障害の私は恵まれているほうかもしれない…と考えています。
同じ視覚障害というくくりでも全盲と弱視では支援に違いがあります。例えば弱視である程度は見えているのに見えてできることまで「サポート」の名の下に自分でする機会を奪われたら悲しいと思うんです。
こんな風にわかりやすい視覚障害でも個人差があります。きっと様々な障害の中にはもっと傍からはわかりにくい、どんなサポートが適切なのか判断しにくいものがあって当たり前なんだと思います。
 だから指導側に立つ人は参加者が自分が求める支援(ニーズ)を具体的に言える環境を作ってもらえたら嬉しいなって思います。
それぞれにニーズは異なりますから、みんなにとってベストは難しいです…でも、ベストに近づくようにみんなの声に耳を傾けてベター、モアベターと努力してくださる姿に参加者は感銘を受けますし、自分もそのような人になろう…と思って、それこそが環境教育の目標に近づくことになるのではないかなって感じています。

3)特別なニーズをもつ人自身が環境教育の指導者になることに関するメッセージ
 きっと何の問題もないなんて人はいないと思います…大なり小なり何かしら抱えていると思います。障害者はそれが傍目にわかりやすい問題なんでしょうね。でも、それは強みにも変化させていくことができるように信じています。
 指導者を「先生」って呼びますが、先生って私は先に生まれて人生を歩いている姿を見せている人なんだって思っているんです。だから障害って逃げられない問題を自分なりの工夫や努力、周りに支援や連携を求めることで何とか乗り越えようとする姿は、後から生まれて人生を歩む人の良い教材になると思います。私を教材にして、よりよい人生・社会参加ができる人が増えていってくれたら…と願っています。
 みんなそれぞれが工夫したり助け合ったりして、それぞれが抱えている問題を少しでも改善していける社会になったら素敵ですよね…そこに障害の有無は関係ないと思います。環境教育の指導者になりたいと思った人その人がどんな問題(障害)を抱えているかはわかりませんが、逃げずに向き合って頑張っている姿そのものが環境教育の一端になっていると考えます。
 みんな見えなくても何か問題を抱えて頑張っていると思ったら、障害の有無なんて関係なく頑張れるように私は思っていますし、私自身が頑張れているように思います。ありがとうございます!

(角田尚子おすすめ参考文献;編集担当のほうでかくたさんブログのアドレスを追加)
・『リハビリの夜』熊谷晋一郎、医学書院、2009
脳性マヒの当事者からの視点です。
http://ericweblog.exblog.jp/23160192/
・『自閉症の僕が跳びはねる理由 会話のできない中学生がつづる内なる心』、東田直樹、エスコアール(千葉県木更津市)、2007
自閉症の方の感じ方、考え方がよくわかります。
http://ericweblog.exblog.jp/21400848/
・「特別なニーズへの対応ガイドライン」
今回の研修成果物。
http://www.eric-net.org/news/ESDSpecialNeeds.pdf

「すべての人のための環境教育」のために、当事者の方々の視点をどんどん活かしていきたいですね。
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by eric-blog | 2016-09-01 14:37 | ERICニュース | Comments(0)
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