学校におけるケアの挑戦 もう一つの教育を求めて
The Challenge to Care in Schools; An Alternative Approach to Education
ネル・ノディングズ、ゆみる出版、2007
2504冊目
著者は「フェミニスト」で「教育者」であると紹介されている。87歳。生きてんのかなあ。
訳がひどいそうなので、日本語版は買わないことにする。
ケアを教育の中心に据えることを主張している本。TEST in 大阪でも共有したが、
今後、教育のあり方を考える上で、取り入れたいものだ。
ケアを言っているのは、他にも
・環境教育のジョン・フィエン氏。「Learning to Care」
http://ericweblog.exblog.jp/18988618/
・ジョアンナ・メイシーのActive Hope、Coming Back to Life
http://ericweblog.exblog.jp/21763983/
学校が、教育が、「ケア」を教えなければ、そしてそれを実践的に身につける場でなければ、どこで子どもたちは、自分を、人を、環境を、理念を、価値を「ケア」することを学ぶだろうか?
それがジョン・フィエン氏とネル・ノディングズ氏に共通している主張だ。介護や保育の場面での「ケア」だけではない広がりを持った概念だと言える。
著者自身はその他に『ケアリング』『幸せのための教育』などがあるようだが、北区の図書館にあるのは、この本だけ。
なんと、著者は10人の子どもを、養子の含めて、育てたという。朝鮮戦争に従軍し、戦争孤児を連れ帰ったボーイフレンドと結婚したからだ。
第一章が衝撃的だ。「社会の深い変化に対する教育の浅薄な対応」
胸にぐさりと刺さる。
ケアすることとケアされることは人間の基本的なニーズである。
「毎日のある部分は、栄養、衛生、身体訓練、外見、健康のケアのすべてなど、自己の身体的な側面のケアリングに費やされているべきである。
「人はケアし、ケアされることによって責任ある人生を創造するのであり、愛する人、愛されるべき人に成長することによって幸福な人生を創造するのである。社会組織はこの毛足ケアされる関係、愛しあいされる関係によって構成されるべきであり、教育の目的も「ケア」の認識と実践による人々の幸福の実現にある。」訳者あとがきより
学校は「第二のホーム」になるべきだと。
■スクールホーム、ジェーン・ローランド・マーティン
■もうひとつの声 男女の道徳観の違いと女性のアイデンティティ
キャロル・ギリガン、川島書店、1986
http://ericweblog.exblog.jp/1960781/
■ハイメ・エスカランテ 数学教師の実話。
Stand and Deliver、映画
https://www.youtube.com/watch?v=cc8WPFSwRu8
あらすじはこちらに
http://plaza.rakuten.co.jp/kuonnokizuna/diary/200707280000/
■専門家の知恵 反省的実践家は行為しながら考える
ドナルド・ショーン、ゆみる出版、2001
http://ericweblog.exblog.jp/13660657/