第3回 4/25
参加者: 2名 1.1分間プレゼンテーションのコツ (ア)テーマについて、連想図や出発点「知っていること」「知りたいこと」などでなるべく多様な視点から出してみる。(できればグループ作業でやるとよい)[拡散する] (イ)「わたし」の視点や価値観、ひっかかりなどによって絞り込む。優先順位をつける。[収斂する] (ウ)その視点から構造化する。まとめる。プレゼンテーションであれば「大切なことは三つあります。」と必ず言ってみる。 (エ)[例] 「あなたは犬派?猫派?」 2.先週宿題にしていたレポートを共有する。 (ア)一人ひとりが別の人のレポートを読む。A4一枚程度だったので、2分ほどで読めていた。 (イ)「他己紹介」の要領で、紹介する。 ①書いてあること ②そこから思ったこと ③改善点など (ウ)レポートには三つの視点を入れること。[テキスト「調べよう!三点確認法」p.87参照] 「わたし」「あなた」「みんな」だ。 ①「わたし」の体験も重要なデータである。年代によって異なる体験をしているし、時代背景の違いが体験に影響を与えている。例えば、初めての海外旅行がみんな1974年だったりする。なぜだろうか? 一人ひとりが体験していることは時代的なことなのだ。それをしっかり「データ」として加味することでレポートが厚みを増す。 ②「あなた」の視点というのは、簡単に聞き取りすることができる友人や家族などの身の回りでの体験のこと。簡単にゲットできるこれらの情報は、「データのうそ」を見破る好材料だ。「景気が上向いている」と経済指標が言っていたら、回りの人に聞いてみよう!どこにその「エビデンス/証拠」があるだろうか? 自分自身の身近な人たちの体験も貴重なデータだ。そして、「科学」にだまされないための心がけだ。(科学が間違っていると言っているわけではないよ、念のため。ただ、科学とは現実の後追いでしかないことは、知っておくこと。わたしたちは科学よりはるかに賢い。) ③「みんな」の視点というのは、わたしたちが対面することのできない人々の視点のことだ。アンケート調査や実態調査などのデータに基づくもの。そして、それらをまとめた「文献」も自分の頭で考えるための重要な情報だ。先行知見は時代を越えて集めることのできる年代比較の視点にすら答えてくれる。すごいね! (エ)情報をまとめたり、分析したりしていると「発見」があるはずだ。わたしがよく言うのは「発見があるまで分析をやめるな!」である。新たな発見が(自分にとってだよ!)がなければ、なぜ学ぶのだ? 学ぶとは新しいことを知ること、身につけること、できるようになること。だよね。 ①分析の視点は、すでに授業の中でも紹介した「12のものの見方・考え方」をとりあえずは、全部やってみよう。[テキスト「分析しよう」、p.90参照] ②発見したことには「名付けよう」。名前をつけることで、その概念を応用して、現実を説明したり、読み解いたりできる。例えば、岩村暢子さんは、家族の食卓についての調査で、調査目的以外のこととして、いまの人々が「アンケート調査なれ」していて、実際に自分がどうであるか、何をしているかではなく、調査者の意図に添った解答をする傾向があることを発見している。 ③もし、それに名前をつけていれば、それは、いま、アンケート調査をするすべての人々が注意を払うべき課題として共有されることだろう。例えば「学校教育症候群」などと。より広い概念的な言葉を使えば、「認知的流動性」=応用の幅は広がり、いろいろなことに応用して考えることができる。「いまの若者は学校教育症候群があるから、上司の気に入るような答えばかりだすんだよね」などのように。名付けは大事。 (オ)他の人が紹介した自分自身のレポートを見直そう。付け加えて、どんな調査をすれば、どんな発見があると思うかまでかんがえ、それに名付けてみよう。[個人作業、3’] 全体共有 ①「豊かさの価値観」 ムヒカ元ウルグアイ大統領の来日で、「豊かさ」とは何か、「貧困」とは何かを考えたかった。しかし、岩村さんの指摘するように、アンケートに答えた人は、自分の価値観ではなく、「物質的豊かさも大事だけれど、精神的な豊かさも大事だよねぇ」などと、あいまいに、調査者の意図にすりよった答えをする傾向があることに気づいた。名付けとしては「無自覚の価値観」。 ②「食料自給率と食品廃棄」 保育園で働いている母の影響もあるか、「食べ残し」について考えたい。昔の食生活と今の食生活の比較、それらの食品の中で「輸入」だったものは何かなど、自分たちの経験とデータを検証してみる。そこから生まれた疑問が、さらに詳しく「貿易統計」を読んでみる視点になる。「食べ残し撲滅」なんてことではなく、食と生活のような関連から考える。 1.女性受刑者がどんな罪を犯して服役しているかを描いた本がある。その中で、「豆に虫わかして」となじる姑の声が台所から聞こえて、頭の中が真っ白になって殺した、なんていう人がいたのがとても印象に残っている。 2.かつて、食は「生きる」ということの根っこであった。 3.名付けるとすれば「食の根無し草化」。そして、その根無し草化したことによる影響は何かへと考えがおよぶようになる。 (ア)身土不二、自分の身近な環境でとれたものを「一物全体食」で食べることが健康であるというマクロバイオティック の考え方が崩れる。 (イ)食の「無国籍化」がすすむ。グローバリゼーション。 (ウ)「当たり前」の繰り返し食や定番料理がなくなる。 (エ)CookPadが流行る。 (オ)カリスマ・ブロガーなど、食についてのレポーターやブログが増える。 (カ)「情報を食う」ようになる。 (キ)食育が必要になる。 (ク)・・・・ ③「熊本地震とゴミ問題」 三年はかかると言われている震災後のごみ処理。 1.「断捨離」災害。いやもおうもなく、断捨離させられた被災者。しかし、見方を変えて、「断捨離」だったのと思えば、見えてくるものもあるのではないか。 2.生活改善のために断捨離したのだとすれば、「どんな生活」を目指していたかが見える。 3.エコ化スマート化計画がたてられる。 4.惨事便乗型消費推進を避けるためにも、名づけは大事だ。 3.今日のアクティビティ「GoFish!」 (ア)基本のやり方 ①四人一組で行う。 ②椅子を丸くして、真ん中に空間「海」を作る。 ③そこにチップを16個配る。 ④ゲームの目的は、なるべくたくさんチップをとることだと伝える。 ⑤四シーズン行う。シーズンが一度終わるたびに、真ん中の「海」に残っているチップは倍になる。 ⑥しかし、「環境容量」Carrying Capacity があるので、チップは16以上には増えない。 ⑦チームで話し合うことはできない。シーズン中に話し合ったり、人に指示をしてはいけない。 ⑧第一シーズンを始める。「Go Fish!」。記録用紙を作って、各人がとった数を記録しておくのもよい。 ⑨残っている数の倍の数を配る。(チーム数が多いと、これが大変!) ⑩第四シーズンまでくり返す。 ⑪記録表に記入した数を合計するか、手元にあるチップの数を数えて、各人のスコアを確認する。 ⑫全体で、誰が一番かを決める。これまでは言っていなかったが、各チームごとの合計も比較する。 ⑬ふりかえりを行う。それぞれのチームで、それから全体で。 ⑭次にチームで、どうすればたくさんとれるか 、そのためにはどうすればよいかを話し合ってもらう。 ⑮第二ラウンドの四シーズンを行う。 ⑯四シーズン後に、獲得したチップの数を個人とチームについて確認する。 ⑰それぞれのチームで起こったことを共有する。 ⑱ふりかえりとまとめ。「資源管理にとって大切なこと」 4.ふりかえり 【ファシリテーターのふりかえり】 今日準備したアクティビティは、Go Fish以外に「クロマグロの悲劇」と「マナミヤ」である。「クロマグロの悲劇」は、基本はGo Fishと同じ資源問題について考えるものである。しかし、改めてGo Fishとの違いを再確認できた。 1.国別対抗チームにするので「資源管理のための国際会議」の設定に無理がない。 2.チームごとに異なる人数にするため「人口圧」を感じやすい。 3.その他、食文化に関して「伝統だから」「文化だから」など、漁獲枠の獲得をめぐる議論で出される論拠が、資源管理の科学以外の側面に気づかせてくれる。
by eric-blog
| 2016-04-25 18:39
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