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文系学部解体

文系学部解体
室井尚、角川新書、2015
2454冊目

2015年6月8日、「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」という通達が出た。
また、6月16日には国立大学長会議において国旗国歌遵守が要請された。

そこで8つの項目が示されたのだが、その第一項「ミッションの再定義」は、大学との協議もないままに、すでに各大学について設定されており、それに従って組織改革を求めるというものだった。(きっとどこかの総研のような外部機関に策定作業が委託されていたに違いない。21)

http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/houjin/1341970.htm
平成25年11月

教員養成系がねらいうちされているのだが、教職大学院という半分が現職の教員によって構成される大学院との六年間で教員養成を行うように、変化してきている。

国立大学は、もともと理系中心で「富国強兵」の国策のためのものだった。

工学部が多く作られた。日本特有の形。

大学の格付けや格差は、戦前のまま残った。

1971年46答申。研究院、大学院、大学の三つのタイプ分け。94

「研究院」と「大学院」を持つ筑波大学が生まれた。

1998年に「21世紀の大学像」答申。六類型化。95

ただただ自分の人生をグローバル資本主義におけるさまざまな課題解決だけに捧げるような学生しか育てない国立大学でいいのだろうか> 107

手続き型合理性だけがはびこる大学の実態。157

それは大学の「ソビエト化」だ。

2004年の大学の法人化。

これまでもそうだったが、大学は国策のなれの果てなのだなあ。

牧歌的な文系の学問の府があったのは、戦後の50年ほどの短い間だったと歴史には刻まれるのだろうか。

大学はどこへ行くのだろうか?

著者は横浜国立大学の教授。記号論。そして、なんとわたしと同い年。人生行路は、似ているのだろうね。
by eric-blog | 2016-03-01 13:56 | ■週5プロジェクト15
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