なぜユニオンをつくったのか
長橋淳美、自費出版、2016
2451冊目
富田林市の職員組合として、1996年に結成。
もちろん、市職員労働組合は別にある。かたや600人、かたや19人。
それでも新しい職員組合をつくったわけ、そして獲得してきたもの、組合として大事にしてきたものがまとめられている。40ページ。
実は同級生。そうか、こんなことやってきたんだあと、おだやかな闘志が学生時代とかわらず、続いていたのだなあと、懐かしい。
労働運動が総評系と同盟系に分裂し、地方自治体の労働組合の連合体である自治労は総評系に属していたと。1980年。
1989年、連合が結成され、自治労も加盟していく中、共産党系の職員組合でつくる日本自治体労働組合総連合(自治労連)が結成される。
しかし、バブル崩壊後の組合運動は、「階級闘争至上主義で、労働運動を政治運動(選挙)に流し込んでしまう従来の運動には時代的限界があった」11
で、当時の市職労執行部にみきりをつけてユニオン結成。
うーーん、この辺り、よくわからないなあ。言葉に実感がともなわないからねぇ。
でも、その後、獲得していったものは、よくわかる。
賃金闘争の合理化、人事政策への意見の反映、女性のお茶汲み廃止、障害者雇用、嘱託雇用から正規雇用へ、など。
その間、市職労は何していたのかなあ。
公平、連帯、市長・当局との交渉能力、公僕でありながらも労働者として声をあげ続けること。大切な理念の言葉が並ぶ。
ご苦労様でした。小世帯とは言え、多様な人たちとの対話を続けてきたのだなあということがよくわかる。
最終章、希望はどこに で、世代論も出てくる。今の若い世代は控えめで慎重。
でも、大丈夫。自分たちの頭で考えて、自分たちのスタイルでやればいいんや。37
すっごいええんちゃう? 「みんなの頭で考える」。長橋さんもファシリテーターをやってきたんだねぇ。