ERIC NEWS 475号 ともによりよい質の教育をめざして  2016年2月11日

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ERIC NEWS 475号 ともによりよい質の教育をめざして  2016年2月11日
ファシリテーターズ・カレッジ スピンオフ企画「文明病」!
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(文責: かくた なおこ 角田尚子
http://ericweblog.exblog.jp/
twitter : kakuta09  FBもやってます。)

去年からファシリテーター養成講座のスピンオフ発展企画を「文明病」をキーワードに12月から2月3月の主催研修空白期間に実践してきました。

上映会と連続学習会です。

2月10日、昨日の報告も含めて、ニュースです!

勉強会の成果物pdfは以下からご覧いただけます。
https://www.dropbox.com/sh/xoxngltmivnmrvp/AACjVSvJBYQ3Y9H3OUqec3Wia?dl=0

◆◇◆目次◆◇◆
◆◇◆1. ファシリテーター養成講座スピンオフ企画
◆◇◆2.  2016年度、ERIC主催研修 ESDファシリテーターズ・カレッジ
◆◇◆3. by ERIC これまでの活動


◆◇◆1. ファシリテーター養成講座スピンオフ企画◆◇◆

わたしたちの社会は科学技術産業社会、大量消費大量生産の「化石燃料依存症」なのです。

現在の化石燃料依存社会は「豊かさ」の反面、痛みもあります。

「文明病の痛みと負担は誰が?」
http://ericweblog.exblog.jp/19526903/
http://ericweblog.exblog.jp/19501478/

第一回の報告
http://ericweblog.exblog.jp/22327697/

1月28日 実施プログラム
1. 教室の中の世界探検
2. 風土か文化か文明か
3. 石油文明の光と陰
4.  文明病の痛みは誰が負う? わたしたちにできること

「教室の中の世界」で、いまの社会がつながりのおかげで豊かであることを確認、そのような「社会的有利性」の配分の正義について考えた。
豊かさの陰で起こるマイナスもある。それを「文明病」と呼ぶ。その負担は誰が担っているかを考えようとした。

2月10日 実施プログラム
1. 文明病のいろいろ 分類と特徴
2. 化学物質の規制化、用途別規制の流れ
3. 便益分析=メリット・デメリット=全体と個人、個人vs個人
4. 今日学んだことのまとめと共有

前回、化学物質過敏症の問題が焦点化できなかったことの反省から、今回はがっつり、化学物質そのものを入れたいと思い、流れも上のようにした。

文明病、科学技術産業社会の陰の部分は「職業病」「利用者被害」「環境被害」の三つに分けられる。

職業に伴うリスクとして、アスベスト、塵肺症、農薬中毒、放射線技師、原発労働者などが考えられるが、因果関係の解明と規制がすすめられてきている。

利用者被害としては薬害エイズやワクチン、化粧品、サリドマイドなどがある。これらも因果関係の証明と規制がすすめられてきている。

もちろん、証明は簡単ではないが、曝露者と被害の関係が簡単であるために、放置すれば繰り返し現れるため、放置しにくい。

それに対して「環境型」は
1. 曝露と発症の関係に個人差が大きい場合
2. 薄く広がるため、その他の要因との区別化が不明確になりやすい。
3. 被害そのものが劇症が少なく、不定愁訴のような「どこか調子悪い」ものであり、死亡者がいない。
という、aboutな部分が解明→対策という流れが生まれにくい。リスクは「死亡」がなければなかなか認識されないことがよくわかった。

スーパーファンド法につながった事例として「ラブカナル」の廃棄物汚染があるが、環境型として住民運動が不可欠であることがわかる。

【参考】LB8-2ラブカナルの住民運動20人以上のクラスでもすぐやれるフォーマットで提供。NGOの役割、市民社会についてのアクティビティ。¥1,400。

それに対して、では自然環境、生態系や生物に対する化学物質の影響については『沈黙の春』『奪われし未来』などの問題提起が社会的解決につながっている。一方で自閉症の増加など人間への影響も指摘されているのに、なかなか問題解決に至らない。

それは、化学物質依存が広範にわたっているせいと、影響の個人差が大きく、また、因果関係の証明も困難であるせいだ。

生物や生態系の被害についての科学と人間の被害に関する科学とでは、どこがどう違うのだろうか? 次なる課題のような気がする。

また、「車社会」は交通事故というリスクを抱えているが、車という凶器を使う人について免許・資格・学習を必要としている。それに対して化学物質の利用についてはまったく学習が欠如している。誰でもが入手、利用できるというのも特徴だと言える。

今回学んだことを最後に共有した。

・不特定、不確定の部分で微量、低被ばくがすすんでいる。影響なしとはしないものの、対策もない。
・医学という人間に関する科学が対応できていない。「医療費抑制」のための予防原則の問題として提起できないか。
・「無知につけこむコマーシャリズム」を再発見した。汚い、臭いという「恐怖」につけ込んでいると思う。
・運動の側も被害や「恐怖」を誇大視する傾向がある。
・推進側も反対側も、描いているのは恐怖で変わりがない。上から目線も同じ。
・科学的な見方や快をめざす「なりたい未来」を考える方向にはならない。
・医療モデルから社会モデルに、化学物質過敏症対策も移行する必要がある。

なぜ、医学はかくも社会モデルに疎いのでしょうか?

化学物質過敏症の問題は、日本の「医療モデル」の問題なのでもあると発見。

【参考情報】
奪われし未来を取り戻せ 有害化学物質対策-NGOの提案
化学物質問題市民研究会編、リム出版新社、2000
http://ericweblog.exblog.jp/5207042/

海中の沈黙の春はいまそこに
http://ericweblog.exblog.jp/17979632/

ミツバチが地上から消える日 
When the Honey-bees Vanish from the Face of the Earth, 2011
浅井隆、第二海援隊、2011
http://ericweblog.exblog.jp/12195890/

ニルスの国の認知症ケア―医療から暮らしに転換したスウェーデン
藤原 瑠美、ドメス出版、2013
http://ericweblog.exblog.jp/22096687/


◆◇◆2.  2016年度、ERIC主催研修 ESDファシリテーターズ・カレッジ日程 ◆◇◆

前期のテーマ・コース三本と後期スキル・コース三本です。

2016年度の日程は以下です。御問い合わせください。
■2016年(平成28年)6月25日26日テーマ「国際理解」 
■2016年(平成28年)7月30日31日テーマ「PLT木と学ぼう・環境」 
■2016年(平成28年)9月24日25日テーマ「人権」 
■2016年(平成28年)10月29日30日スキル「対立から学ぼう」 
■2016年(平成28年)11月26日27日スキル「未来を学ぼう」
■2017年(平成29年)3月下旬予定TEST教育力向上講座
                     <いずれも、土日実施、各回参加費2万円>

■2015年度の主催研修の記録はホームページおよびブログに載せています。ERICホームページはこちらから。
http://www.eric-net.org/by-eric.html#AT

以下は、ブログ記事です。
■2015年(平成27年)6月27日28日テーマ「国際理解」 
http://ericweblog.exblog.jp/21486407/

■2015年(平成27年)7月25日26日テーマ「PLT木と学ぼう・環境」  http://ericweblog.exblog.jp/21488427/

■2015年(平成27年)9月26日27日テーマ「人権」 
http://ericweblog.exblog.jp/21688691

■2015年(平成27年)10月24日25日スキル「対立から学ぼう」 
http://ericweblog.exblog.jp/21780337/

■2015年(平成27年)11月28日29日スキル「未来を学ぼう」
http://ericweblog.exblog.jp/21882789
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by eric-blog | 2016-02-11 15:21 | ERICニュース | Comments(0)
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