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少子化時代の「良妻賢母」 変容する現代日本の女性と家族

少子化時代の「良妻賢母」 変容する現代日本の女性と家族
スーザン・ハロウェイ、新曜社、2014
2431冊目

1000人以上に対して行われたアンケート調査の結果、選ばれた16名に対する詳細なインタビューとデータからまとめられたもの。選択基準の一つに「自己肯定感」が入れられている。

400ページ近くにもなる大著。というか詳細なレポート。読んでおもしろいのだが、まとめのところから抜粋する。

これらのインタビューからわかったこと。

仕事と家事を両立させることの難しさ
母親としては失敗
夫への疎遠な感情
パートの退屈さ

今の労働市場の状況は、女性が心理的にも経済的にも報われる仕事につくこと、それを継続することを阻んでおり、教育制度はわが子の就学を献身的に支えることを強く求めている。333

子育てと仕事に関する文化的言説は、女性がそれを両立させようとすれば、構造的に存在する不平等の否定的影響を助長することになりかねない。333

自己批判的で完璧主義的な態度が、両立の難しさに拍車をかける。

日本の女性は母親役割への不満よりも、夫との関係にずっと不満を感じている。334

日本で母親であることは女性に公認されているただひとつの役割であるが、それに向いていないと感じることほどつらいことはない。335

外で働くことによってのみ、母親としての役割を楽しみ、満足感を得ることができ、しかもベストを尽くすことができるというパラドックス。336
by eric-blog | 2016-01-26 11:53 | ■週5プロジェクト15
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