ERIC NEWS 473号 ともによりよい質の教育をめざして  2016年1月24日

2016年1月25日 東京新聞

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ERIC NEWS 473号 ともによりよい質の教育をめざして  2016年1月24日

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(文責: かくた なおこ 角田尚子
http://ericweblog.exblog.jp/
twitter : kakuta09  FBもやってます。)

一月も下旬になり、残すところ一週間になりました。晦日が日曜日だと、一月が長く感じますね。

大晦日には東京国際フランス学園に折り鶴を届けました。ちょうど49日にあたる祈念のためでしたが、当然ながら、学校は閉まっていました。

その後、トルコで、インドネシアでと爆撃が頻発してきました。もちろん、わたしたちの側が攻撃される以前に、シリアなどで、空爆されて死んでいる人びとはたくさんいることも忘れてはいけないし、頻発する爆撃に慣れてはいけないと思いつつ、「またか」と自分の身近でことが起こるまでは、日常を続けるのだろうなと思ってしまいます。

「折り鶴」は祈りの形として宗教宗派を越えるものとして、とてもよいと思っています。人権研修でも、取り入れました。
http://ericweblog.exblog.jp/22256609/

例えば、教会派のキリスト教徒の方は祈りの時間を持つでしょうし、イスラム教徒の方は一日に五回、祈ります。キリスト教の教会では、その時々の「痛み」に対する共感を説教に取り入れているように思います。

イスラム教徒の祈りが何を祈っているのか、体験したことがないので、わからないのですが、一人ひとりがそれぞれに祈っており、教会のような「共感」としての祈りとは少し違うように感じます。

そのような祈りを共有する時間が、とても大切な気がしています。

今度のTESTで「慈悲心」を扱うのですが、いま、日本社会がとても冷たくなっている気がしています。

格差が拡大しているのに、労働者の権利保障も弱ければ、チャリティも少ない。
「ハーバード大学のマルガリータ・エステベス・アベ教授は、福祉機能で米国に劣り、雇用環境で欧州以下の日本こそが、先進国で一番冷たい格差社会であると警鐘を鳴らす。」
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/a2411aad82ead5aaf0dbba0624267778

こんな数字もあります。

世界寄付指数は下記の行動をここ数ヶ月以内に行ったかどうかのアンケート調査を世界各国で行い、その回答結果を処理し指数化したものだ。
人助け指数: 異邦人、助けを必要としている見知らぬ人を助けたか?
寄付指数: 宗教団体や政治団体、慈善団体等に寄付を行ったか?
ボランティア指数: 組織的なボランティアに時間を捧げたか?
http://blogos.com/article/142286/

その指標が、日本は世界でも最低なのです。

さらに、日本は「民主主義指標」においても、「欠陥のある民主主義」にランクを下げてしまいました。政治参加のスコアが悪化したからです。
http://www.eiu.com/public/thankyou_download.aspx?activity=download&campaignid=DemocracyIndex2015

誰の心にもある暖かい同胞心。道徳教育がもしも「国家主義」のものになるならば、とてもいびつな国になってしまいますね。多様な文化、社会の中での共生のために、これらの点検の視点を活かしていきたいですね。

人権教育ファシリテーター・ハンドブック 実践編の最終章は「人権尊重社会のために」スキルを伸ばすためのプログラムを紹介しています。

その一つのプログラムが「めざせ!満点アドボカシー社会」です。社会的な提言を行う、そのような団体を支援することで、社会参加しようという内容です。

政治参加と政治文化が未熟な日本。18歳選挙権を機会に、しっかり取り組んでいければと思います。


◆◇◆目次◆◇◆
◆◇◆1.  What’s New? ファシリテーター養成講座スピンオフ企画
◆◇◆2.  2015年度、ERIC主催研修 ESDファシリテーターズ・カレッジ
◆◇◆3. by ERIC これまでの活動


◆◇◆1. What’s New? ファシリテーター養成講座スピンオフ企画◆◇◆


スピンオフ企画第二回は、文明病の体質改善にまで踏み込んで、問題提起を広げていくための研修プログラムを考えていきたいと思います。1月だけでなく、2月にももう一度行う予定です。

2016年1月28日 「文明病の体質改善を考える」勉強会
http://kokucheese.com/event/index/361237/
ぜひ、お申し込みください。

キーワードは「インクルーシブ」包摂的な社会デザインとしての教育のあり方ということです。光あるところに必ず陰あり。文明の力が強ければ強いほど、それは均質化と波及力が強いということを意味するのだが、その排除の力、否定の力も強くなる。ゆるやかに、多様な存在を包摂することができる文明へと、近代の人間化へと舵をきる時が来ていると思います。

そして、その鍵は教育に、広い意味での学びに、そして学び続ける個人と社会にあるのではないでしょうか。

「文明病」というのは近代文明の恩恵の背景にある陰の部分です。

・産業科学技術社会の陰 原子力、医療、石油文明、軍需産業
・近代国家成立の陰 アジア蔑視、教育、周辺化された地域
・平和の陰

わたしたちが受けている文明の恩恵。ロールズの「正義」の定義に従えば、その配分の適切さは担保されているのでしょうか? その配分の決定の手続きは適切でしょうか?

一方で「公正さとしての正義」がなされていない上に、陰の部分は弱者に集中していく。

・物理的身体的弱者
・経済的弱者
・南北格差
・政治的弱者

みんなの頭で、いっしょに考えましょう! 未来に向かう言葉を獲得するために。



◆◇◆2.  2015年度、ERIC主催研修 教育力向上講座 ◆◇◆

16回目のTEST教育力向上講座。日程が決まり、案内ができました。
2016年3月26-27日です。年度末の最終週末です。ぜひご参加ください。
http://www.eric-net.org/news/atERICTEST16youkou.pdf

ケアする心、地球のいのちとのつながりをとりもどすマインド&ハート、未来を拓く価値観とビジョンをESDの中核に据える指導者育成のあり方を考えます。

参考にするのはCBTL, Coming Back TO Life, Work that Reconnect
そして、環境教育者ジョン・フィエン氏の「ケアする心」です。

【参考URL】
http://www.joannamacy.net/books-dvds/284-coming-back-to-life-the-updated-guide-to-the-work-that-reconnects.html
http://workthatreconnects.org

http://ericweblog.exblog.jp/18988625/

人の痛みに共感する心を「慈悲心」と仏教では言うのだと、ジョアンナ・メイシーの著書『アクティブ・ホープ』から学びました。鈴木大拙ではないですが、東洋の伝統を、西洋から学び直すというところでしょうか。

■これまでの主催研修の記録はホームページおよびブログに載せています。ERICホームページはこちらから。
http://www.eric-net.org/by-eric.html#AT

以下は、ブログ記事です。
■2015年(平成27年)6月27日28日テーマ「国際理解」 
http://ericweblog.exblog.jp/21486407/

■2015年(平成27年)7月25日26日テーマ「PLT木と学ぼう・環境」  http://ericweblog.exblog.jp/21488427/

■2015年(平成27年)9月26日27日テーマ「人権」 
http://ericweblog.exblog.jp/21688691

■2015年(平成27年)10月24日25日スキル「対立から学ぼう」 
http://ericweblog.exblog.jp/21780337/

■2015年(平成27年)11月28日29日スキル「未来を学ぼう」
http://ericweblog.exblog.jp/21882789
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by eric-blog | 2016-01-24 18:04 | ERICニュース | Comments(0)
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