世界を平和にするためのささやかな提案 14才の世渡り術
河出書房新社、2015
2425冊目
フマジメになろう。永江朗さんの提案だ。
マジメに言われたことをやると、「悪の凡庸さ」につながる結果になるということだなと、読んで思った。
永江さんは言う。
「マジメなほうが楽なんです。マジメであるためには、他人に決められたルールにしたがって脇目もふらずにコツコツやっていればいいから。機械のようにただ働いていればいい。「君はマジメだね」なんてほめられて得意になって、ますますマジメになって、コツコツやって、いつのまにか罪もない無関係の人びとを不幸のどん底に落とすのがマジメ人間です。」32
伊勢崎健治さんが提案するのは「就活と戦争」
戦争の起こるメカニズムは
「推定損失」を誇張して危機感を煽り、たとえば「仕掛人」が憲法を変えたり、それまでのルールを破ったりすることを、「聴衆」が許すよう、セキュリタイゼーションが政治的な手段として使われる。36
学校教育法が帰られて、国立大学で学長が決められるようになった。リベラルの牙城である教授会が無力化された。
人文社会系の切り捨て。
「生意気さ」を提供する分野が弱体化する。
セキユリタイゼーションされやすい「聴衆」が育つ。こうした人びとが危機感をアオラレレば、巨大な空気となり、一気に、戦争という、やってしまった後は誰でも後悔する政治選択に国民を駆り立てていく。39
就活は、帰属の始まり。帰属は同時に「排他」も生む。・・これも戦争に向かうセキュリタイゼーションにつきもの。40
帰属でなく所属程度でいかがでしょうか?