ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?
高野誠鮮(じょうせん)、講談社、2012
2408冊目
名前からなんとなく推測できるように、お坊さんである。
そして、最初は嘱託のような関わり方で、羽咋市の職員になった。
いろいろあって、大活躍が始まったのは「神子原地区」みこはらと読む棚田の地域。誰もが出身であることに誇りを持てなかった地域。
なりたい自分たちを演じるドラマから始める。地域を人体とおなじに考える「人体主義」。
・利益が直接農家にいくシステム。
・農作物の地域ブランド化。
・直売所、加工所、など。付加価値と雇用の創出。
神子原という名前が、「神」と関わるのが幸いした。米を天皇にも売り込んだ。断られる。法王に売り込んでみた。返事が来た。
すべて「事後承諾」でどんどん動くという条件で、市長とタグを組めたのも良かった。県庁から出向していた上司は驚いた。
学生を受け入れる民泊もやった。旅館業ではなくやるのに、工夫が必要だった。
フレンチの巨匠にも食材を使ってもらった。やってきた代理人は土の質をなめて確認した。一流は違う。
カフェも開いた。
情報作戦も面白い。が、次に続く人はいるのかなあ。