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希望の牧場

希望の牧場
森絵都・作、吉田尚令・絵、岩崎書店、2014
2395冊目

原子力発電所の事故で、住むことができなくなった土地
原子力発電所の事故で、飼うことが許されなくなった牛

移住を拒否し
処分を拒否し

その土地に住み続け
牛にエサをやり続け

希望の牧場と呼ばれるようになった
人と牛と場の物語。

牛はエサをたべ、糞をし
エサを食べ、くそをする。

このことに意味はあるのかと
人は自問する。なぜ、ここに

と。

牛はエサをたべ、くそをし
エサを食べ、くそをする。

その姿にほっとするという。

その姿に寄り添う人に
希望の牧場を見る人がいる。

生きよ。

国の命令だとか、専門家の判断だとか
何が危険で、何が安全とか。

生きよう。

エサくって、くそして。
エサ喰って、糞する牛と
エサやって、世話する人。

原子力発電所の事故が奪ったものは何かを鮮やかに描き出す絵本。

人為的であれ、自然災害であれ、原子力発電所の事故をゼロにすることはできない。

事故が起こったときに、数百平方キロメートルの地域と、数十万人の人々の生活と、それを支えて来た環境やいのちが影響を受ける。それが原子力発電所。

牧場しか描かれていない絵の奥に、世界や地球が見えてくる。

希望の牧場_a0036168_9164877.jpg


希望の牧場について、吉沢正巳さんについて、多くの本が出されているけれど、この絵本から広がる世界は、おすすめです。

■「遊びが学び」で考える子どもへの問い

・こんな牧場に行ったら何したい?
・エサ糞エサ糞ばかり見つけよう!
・「意味」を考える人になろう。いろいろな視点があるね。
・エサ糞エサ糞エサ糞の意味は?
by eric-blog | 2015-11-18 09:16 | ■週5プロジェクト15
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