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反「絆」論 

反「絆」論 
中島善道、ちくま新書、2014
2388冊目

反骨というか、自己中、というか、日本社会における「異和感」というかをかもしている方。「日本型コンフリクト研究会」の時には、この方の著作にずいぶん事例を求めたものである。個人vs伝統・集団という構図。

その人が、押し付けがましさ満載の「絆」について、何を語ってくれるかなと。

ご本人も、まず、彼のような天の邪鬼、「哲学するマイノリティ」が生き続けられるこの日本社会の寛容さそのものがすばらしいし、ありがたいと認めつつ、異和感爆裂です。



何が大切か、教え方について、異和感。だって、「命の大切さ」を一般論で口で言うだけなんだもん。と。036

命を大切にしている人間がなぜ殺し合うのか
命を大切にしているアメリカ政府がなぜ人質救助を最優先にしないのか
命を大切にしている我が国でなぜ死刑制度が存続しているのか
命を大切にしている人間がなぜ他の動植物を奪い食べるのか
具体的なテーマが必要が!

言葉の反芻だけでは、「言葉の意味を考えない子ども」ができあがる。

結論だけ読んでも仕方がないけれど、ま、すごくよくまとまっているので。珍しく。引用しておく。

自分に居心地のいい絆を積極的に創ること、すなわち絆への自由を通じてはじめて絆からの自由を確保できる。181

与えられ、押し付けられる絆ではなく。社会的に強くなるために、金を稼ぎ、それによって生活できる場。それによって生き甲斐を感じられる場。180
by eric-blog | 2015-11-11 10:25 | ■週5プロジェクト15
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