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ことば権力差別 言語権からみた情報弱者の解放

ことば権力差別 言語権からみた情報弱者の解放
ましこ・ひでのり編著、三元社、2006
2378冊目

漢字が悪だとは思わないけれど、「ひらがな派」なのかな、ましこさん。
でも、本は普通に漢字仮名交じり文。特に漢語削減努力、カタカナ語制限もないと思う。

第三章 言語権の社会学的意義
日本政府は言語権について、うしろむきである。071
「人種差別撤廃委員会の日本政府報告に関する最終見解に対する日本政府の意見の提出」、また、民族学校出身者の大学受験資格などが指摘されている。

そこにある「日本の公の学校においてマイノリティの言語による教育が確保されるべきと勧告する」についてが引用されている。とてもとんちんかんな応答。

マイノリティを「希望する場合には公立の小中学校に受けテレ、日本人と同一の教育を受ける機会を提供しており、その際、子どもたちが円滑に日本の教育を受けられるようにするとの観点から、日本語指導、・・・母語による支援・・・など、最大限の配慮をしている。」と。

異文化に介入しないという言い方で、外国籍児童の学習権の保障をしないことを合理化すらしていると、ましこさんは指摘している。072

いまの政府の態度に見られる「同化か、さもなくば退去」式移民受け入れ態度。

第8章 差別論をかたることば 『女性学年報』のこころみを例に
糸魚川美樹

確かに、これらの年報は日本語で、英語で、それ自体がバリヤになっている。英語話者は、世界でもっとも「あゆみより」を求められない。207

言語役割分担

英語のもたらす連帯と分断

英語を話せない自分が悪いと思わせ、自らを差別するようにしむけている。211

そのような状況に非英語母語話者が手を貸して来たと、著者は言う。213

うーーん、これは議論のための議論だなあ。問題提起はわかるが、だからどうよ? とこれからの著者の活動を見てみないとなんとも言えないなあ。

第7章 ポライトネス研究における自明性の破壊にむけて
山下仁

自明性は社会の真実を隠す

ブラウンとレビンソンに対するワッツやエレンの批判などもまとめられている。

山下氏自身は日独対比での概念についてポジティブなものとネガティブなものを洗い出している。どんな結果が出てくるか、楽しみだ。
by eric-blog | 2015-10-21 11:07 | ■週5プロジェクト15
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